入院生活~退屈な日々~

 

体は徐々に良くなってきたのか、入院から1・2週間経ってからは起きている時間が長くなった。

もちろん私はまだ点滴もしているし病室から出ることはできない。

母も家に帰ったため、2人部屋の広い部屋に1つのベッドと簡易トイレ。

余計なものは何もない殺風景な病室だった。

 

子ども病棟だったため、昼間は病室の外から小さい子どもの声や看護師さんの声が聞こえていた。

楽しそうに笑っている子どもたちの声や看護師さんの怒っている声、

食事の時の配膳の声や薬の呼びかけなどいろいろな声が聞こえていた。

それを聞いて、見たこともない病室の外の様子を想像するのが毎日の楽しみになっていた。

しかし、土日になるとみんな外泊や外出で病棟内は静かだった。

病棟が静かだととても寂しくなるが、看護師さんが頻繁に病室を覗きに来てくれていた。

 

このころから、時間制限はあるものの雑誌を読んだりノートとペンを使う許可をもらった。

私は日記を書き始めた。

それとは別に主治医の先生との交換日記も始まった。

思っていること、感じたことをそのまま文字にして書いた。

 

寝て起きて、3食食事を出され、少しの時間日記を書いたり雑誌を読む、という日々が続いた。

食事を出されても恐らくまだ何も食べていなかったと思う。

 

つい最近までは始発の電車に乗って学校に行き、部活をして終電間近の電車で帰ってくる、という忙しい日々を送っていたのに…

1日中寝ていることもできなくなった私には、本当に退屈な日々だった。

1時間時計の針を見つめてたこともあったな。

 

退屈さを感じるようになってから、いつ退院できるのかなと考えるようになった。

点滴が3本から2本になったときには、この点滴達がいらなくなったら退院かな、と勝手に予想もしていた。

 

しかし、そんな甘くはなかった。

 

ついに退屈な日々から自分自身への償いの日々が始まった。

 

試練の毎日だった。