断乳。
もっとも重く辛い壁がやってまいりした。
娘は早1歳4ヵ月。
すっかりお姉さんになり
なんでも自分でやりたがる
自我の強い娘です。
きっと我慢も出来るだろうと、
勝手な判断でした。
断乳。
娘になあまりにも
大きな壁だったようです。
断乳をしようと考えたのは
最近の仕事の忙しさと
保育園の先生からの「もうやめなきゃね」の
言葉ひとつからでした。
仕事のほうは
やはり週末となると
労働時間も長い為、
胸はソフトボールのように堅くなり
娘に吸ってもらわないと
痛くて痛くて仕方がありません。
幸い、私は乳腺炎などの
胸のトラブルにはなったことが無く
ただ、良く出るので
そのおかげで随分と痩せて
今は親にまで驚かれるほど
授乳によるダイエット効果が
大きかったものです。
また、保育園には
かれこれ1年お世話になっていて
やはり保育園の先生は
何百人もの子供を見てるだけあり
先生の話には信頼性があります。
「家でおっぱいばかり欲しがって
何も出来ないんです」と伝えると、
「もうやめなきゃね、」と
あっさり言われてしまうのです。
「やめなくちゃだめなのかしら」と
少し不安になり、
ネットやら本やら
断乳時期について調べてみましたが
はっきりとした答えは得られませんでした。
わがままになるとか、
甘えん坊になるとか、
そんなことは最初から信じてません。
ネットに過信はしませんが
ただ、断乳に悩むお母さんは
星の数ほどいるようで
私だけがダラダラとあげている・・・
そんな罪悪感は不要なのだと
教えられたのでした。
仕事が終わり、帰宅を急ぐと
家にはすでに
夫が迎えに行ってくれている為
愛する娘が待っています。
「ままー!!」
それは、それは、
幸せそうに走ってきます。
私はそれだけだ満たされて
娘もさぞかし嬉しいのでしょう。
仕事で会えない時間があればあるほど
その出会いの一瞬は
母も子も幸せなのです。
しかし、その後が大変なのです。
最近の娘は自我や欲望を
ストレートにぶつけてきます。
それは心の成長としては
とても良いことなのですが
授乳により
いつまでもいつまでも
鍋に火をつけることも出来ず
トイレにも立てず
お風呂にも入れません。
分かってます、
娘が寂しい気持ちを
一生懸命表現しているのも
私に抱っこされて
暖かいおっぱいを飲める
その安心感も、
娘にとっては必要なものです。
本当に本当に、必要なものです。
確かに授乳の効果や栄養は
もう無いかもしれません、
だけど「心の栄養」なのです。
周りに断乳の話を聞かされるたび
うちは仕事で離れてる時間も長いし
会える時にたくさん甘えさせたい、
そして次第に大きくなる中で
「卒乳」出来たほうが
娘も本当の「自立」なのではないか。
ああ・・・
たくさん葛藤しました。
安心感を奪うことで
娘はママに見捨てられたと
思うんじゃないかと、
娘のストレスが発散出来ず
周りの子にも悪影響では無いかと。
夫は「断乳」について
反対はしませんでした。
「必要ならしたらいい」。
そうです、
我が子に必要ならすればいい。
私は、一度やってみなくてはと
踏み切りました。
・・・・・しかし、
連休に合わせてやろうと
心見ましたが
案の定、
娘は泣きじゃくり
ひっくりかえって私を呼びます。
抱き上げて泣き止ませても
置いたら、また、泣くのです。
どんどん激しさが増して
嘔吐までしてしまいました。
次第には泣きすぎて
声も出ず、カラカラな声で泣き続けます。
抱き上げても、抱き上げても
抱き締めたって泣き止みません。
悲しくて悲しくて、
私まで泣いていました。
「私はおっぱいが無くちゃ
娘の心を何ひとつ満たしてあげられないのか」
「無理矢理取り上げて
わたしは最低な母親なのだかろうか」
「断乳」の意味に迷いました。
お互い泣いていては
前には進めません。
きっと世の中で「断乳」に成功した方は
こんな事乗り越えなきゃ!と
言うかもしれません。
でも、わたしには
それが一番辛くてたまりません。
只でさえ、仕事に没頭する毎日で
娘に与えてあげられる
至福の時間は「授乳」です。
「授乳」が無くなったら
何も満たせたあげられないのではないか
未熟なわたしは
そう、思ってしまいます。
結局、続けることは出来ず
朝方まで泣き止まない娘に
授乳をしました。
さっきまで狂ったように
泣いていた娘が
飲みながら手を揺らして
踊っています。
嬉しそうに、笑いながら。
私も一瞬にして、疲れが吹っ飛びました。
娘が次第に目を閉じて
眠る姿を観て
我が家は、「断乳」を諦めました。
「卒乳」出きるように
ゆっくりと減らして
その間に私も母として
娘の心を満たせてあげられるような
向き合い方を学ぶ必要があります。
誰しも、育児は
自分との戦いです。
辛いことも多いでしょう。
でも、辛いことばかり数えているから
「辛い」のかなって思います。
娘と過ごす時間が
欠け替えの無い時間で、
私の疲れやストレスも
必要としてくれる娘の前では
全て無くなってしまいます。
それぞれでいいのです。
私は娘と向き合い
ただ、ゆっくりと
成長を共にしていきたいと感じています。