日頃から口にしている食材に、健康を害する恐れのある食品添加物が含まれているケースがある。そして、その添加物の有無を知るには、「食品表示」をしっかりと確認することが近道だ。

 しかし、その食品表示に落とし穴がある。NPO法人食品安全グローバルネットワーク代表で薬剤師の中村幹雄さんが指摘する。

「2020年4月に食品表示法が大幅に改正され、これまでは原材料・添加物すべてを重量が多い順に表記する方法でしたが、原材料と食品添加物を“/(スラッシュ)”で区切って表示するようになったのです」

 いわゆる「スラッシュルール」と呼ばれており、添加物が分けて表示されるので消費者からするとわかりやすくなったという声が上がっていた。しかしそこには、こんな抜け道がある。中村さんが続ける。

「例えば、赤キャベツ色素という着色料は赤キャベツという植物が原料なので、原材料としても添加物としても扱える。このような原材料と食品添加物の区分の曖昧さを利用し、食品添加物が少ないように見せかけられるようになった。スラッシュで区切ったことで錯覚させられるようになってしまったのです」

 つまり、以前よりも表示の意味を理解し、しっかり確認することが消費者に求められるようになったということ。

 まず始めたいのは、「きちんと食品表示を確認できる場所で買う」ことだ。

 女性セブン記者が通販で販売されている食品について調べたところ、「楽天」は食品表示部分を写真で公開していたが、それがない通販サイトも多かった。消費者問題研究所代表の垣田達哉さんはこう言う。

通販で買うならば、その商品そのものの公式サイトで原材料などをチェックするか、食品表示を公開している通販サイトで買うしかないでしょう」(垣田さん)

 肉を選ぶときも同様の配慮が必要になる。米ボストン在住の内科医・大西睦子さんはこう説明する。

アメリカでは『ホルモンフリー』と明示されている肉を選んで買う消費者も増えています。日本なら国産牛を選べば、肥育ホルモン使用牛を避けられます」(大西さん)

 やはり自分で見極めた食材を買い、自ら調理することで怪しい食材を遠ざけられる。食品ジャーナリストの郡司和夫さんはこう言う。

スーパーも、ホームページやチラシに食品添加物に関する取り組みを掲載しているところは安全意識が高い可能性が高く、信用できる。積極的に情報を集めてほしい」(郡司さん)

 リアルでもネットでも、今日の買い物から、「食品表示」を確認してからかごに入れるよう心がけたい。

※女性セブン2021年1月21日号