原油市場では供給過剰が長引くとの見方から、国際指標の北海ブレント原油は27日、一時１バレル45ドル台半ばに下 落。
１週間ぶりの安値をつけた。
米ゴールドマン・サックスは同日、10～12月期の原油価格見通しを１バレル50ドルから43ドルに下方修正した。
米通信社ブルームバーグによるとファリハ氏は27日、イランやリビア、ナイジェリアに最高水準の生産を認めるべきだと語り、譲歩の構えを示した。
今回の会合に先立ちサウジは、イランが増産凍結に加わる場合、自らは減産する案を提示したとされる。
内戦下のリビアや、武装組織の攻撃で生産が一時落ち込んだナイジェリアにも配慮した形だ。
しかし１月に核問題による経済制裁が解けたイランは、制裁前の日量400万バレルまで増産する姿勢を崩していない。
制裁解除後、生産量は360万バレルまで戻してきたが、あくまで失ったシェアの回復を優先す る構えだ。
すでにＯＰＥＣ加盟14カ国の原油生産量は3300万バレル強の過去最高水準にある。
独コメルツ銀行の商品調査責任者、ユージェン・ワインバーグ氏は現状の水準でも来年のＯＰＥＣ産原油への需要を上回る可能性があるという。
サウジが寛容な姿勢を示すことで生産量がさらに増えれば、凍結で合意できても原油価格の押し上げ効果は限られるおそれがある。
財政指標を見る限り、長引く原油安の打撃はイランよりサウジの方が大きい。
国際通貨基金によると、今年度予算でサウジは国内総生産比13％もの財政赤字を見込む。
イランは同2.5％の赤字にとどまる見通しだ。
今年の経済成長率はサウジが1.2％に減速するのに対し、制裁が解けたイランは４％と堅調だ。
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