~潤side~
気づいてしまった。
オレ…泣けないんじゃない…。
泣いたら…アイツがいないの認めなきゃなんねぇから泣けないんだ。
だから………泣かねぇ。
うるむとハンバーグ作り終えて、リビングに行ったら、にのが床に倒れこんで寝てる。
オレがいない間、うるむと頑張ってくれたらしい。
オレといる間、ずっと泣かなかったうるむは…オレが帰ってきた時には、泣きはらした瞳をしてたから…にのに会って、張りつめてたものが切れたんだろう。
他のメンバーは…仕事で帰ったけど…。
相葉ちゃんはバカみたいに泣くし。
翔くんとリーダーはなんも言わねぇけど…オレを気遣ってくれてんのがわかる。
オレの友達もみんなでオレがいない間、うるむをサポートしてくれたらしい。
こういう時…仲間っていいな…と思う。
転がってるにのに、毛布をかけてやって、彼女を見たら、奇跡的に擦り傷すらない綺麗な顔は…やっぱり寝てるだけみたい。
長い…昼寝だよな。
前にもあったな…お前、目を覚まさないとき…。
また眠り姫にでもなったか?
前と違うのは…。
そっと手の甲で触れた頬っぺたは、驚くほど冷たい。
『なげぇ昼寝だな…いつまで寝んだよ?』
…早く起きねぇと…明日…お前はちっちゃくなっちゃうよ?
いいの?
こんな風に触ってやれねぇよ?
『……潤』
背中からするうるむの声に、言いたいことはわかってんだ。
『オレさ…多分、まだたんねぇんだな…母ちゃんといた時間…お前ら…もっと早く探しだせてたら…もう少しいれたのにな…』
耳を弄ったら触れるピアスは開けてやった日を思い出す…。
『ピアスの穴…オレが開けてやったんだ。開けてくれってうるさくてさ?オレ、やりたくねぇのに…』
オレの話に、うるむは笑って横に腰を降ろした。
『ねぇ、潤…もっと聞かせてよ。オレがまだいなかった頃の潤と母ちゃんの話。母ちゃん…恥ずかしくなって起きてくるかも知れねぇからさ?』
笑ううるむは…。
オレの気持ちを汲んでくれんだな。
優しい子供…。
彼女の耳たぶを弄りながら…。
なぁ…。
オレがいない間、君が1人で育てた可愛い息子は…。
君が一生懸命育ててくれたおかげで、とっても優しい子供になったな…。
『うるむ…』
『ん?』
『内緒』
『えっ?』
『教えない』
笑うオレに、うるむは不貞腐れて床に転がった。
『ちぇっ…潤はけちくせぇな…』
なぁ…うるむ。
きっとね?お前の知らない母ちゃん…知らなくていい母ちゃんがいっぱいあんだ。
つか…オレの中だけで、しまっておきたいんだ。
オレと彼女だけの想い出…。
例えば…今よりもっと素直じゃなくて、面倒くさい女だったとか。
オレが彼女に告った日とか。
初めて重なった日とか。
二人だけの想い出…。
つか…まだ足りねぇんだよ。
お前との想い出…。
うるむに話すには…全然、足んねぇんだよ。
だから…目を覚ましてくんないか?
オレとの想い出…もっと作ろうよ?
つづく。