潤くんの寝息を聞きながら、ぼんやり天井を見つめた。
だんだん、気持ちがよくわかんなくなる。
好きなのに…よくわかんなくなる。
舞台のあの日から…。
少しずつ消化してきたはずなのに、ちゃんと消化しきれないうちに、また1つまた1つとどんどん上積みされて…消化できない。
いつもだったら、好きだよって言われて抱き締められたら、全部どうでもよくなるのに…消化できない。
寝返りをうつふりをして、潤くんに背中を向けたら、潤くんの手が動いて、背中から抱き締められた。
起きてるのかと思ったけど、耳元にかかる寝息に…無意識にやってるだけみたい。
また今日から福岡…。
その間に、少しでも消化しないと…。
回った手に指を絡めたら、少しホッとする。
目を閉じたら、記憶がなくなって、目が覚めた時には潤くんはいなくて、なんかホッとした。
いないのがホッとするなんて、おかしい。
あー、もうっ!頑張ろうっ。
両手で頬っぺた叩いて、うじうじした気持ちを吹き飛ばした。
そっから、潤くんと言葉を交わすことなく迎えたドラマ初日。
コンサートを終えたばかりなのに、朝からでずっぱりの潤くん…。
身体は大丈夫なのかな?
なんとなく、顔を会わせずらくて避けるように、潤くんが帰る前に寝てたけど…。
はぁ…どうしよ。
気になるのに、見るのが怖い…。
なかったものがあったのか…確認したい。
でも1人で見るのが怖い……よしっ。
いいこと考えた!
『………で?なんで、あなたはここにいんの?』
『いーじゃん。どうせ今、一番暇でしょ?』
『失礼だな、あんた!オレも昨日、コンサートやって疲れてるんですけどー?』
隣でゲームをするにのを横に、缶ビールに口をつけた。
だって、1人で見るのが怖いんだもん。
『大体さー、バカじゃないの?そんなに嫌なら見なきゃいーじゃん』
『…だって、気になるもん』
気になるもん。
そんなこと言ってたら、始まるドラマ。
思わず横にいるにのの腕を掴んだ。
じっと二人で見つめる画面。
流れる映像に、掴んだにのの腕を更に掴んでるのが自分でわかる。
………よくわかんない。
やっぱり、よくわかんない。
ここまでする必要があったのか…やっぱり…よくわかんない。
黙って見つめるあたしを、心配そうなにのの瞳が横から見てるのがわかる。
わかるけど何も言わずに、ただ画面を見つめた。
ドラマが終わるまで一言もお互い喋ることもなく、終わった瞬間、やっとずっと握りしめてた、にのの腕を離した。
『…で?満足したの?』
にのの言葉に、満足なんかするわけないじゃん。
『なんでさ…潤くんって、いっつもこうなんだろ…』
『ん?うちの広告塔だもん』
『…でも、最初は無かったって言ってたもん…』
『それは、演じてるうえで、必要性があったら変わることだってあるよ』
『…あたしには…あったようには見えなかった…』
あたしの言葉に、にのが少し考えて、丁寧な言葉をくれる。
『オレはわかるよ。潤くんは、何にでも全力だから…今のだって、リアルに見せるために、監督と必要だって判断したんじゃないの?そりゃ、オレはあんまあーいうの好きじゃないけど…潤くんは、周りから求められてる部分もあるから…それもわかってるからこそなんじゃないのかなーって、オレは思うよ?』
『……わかんないよ…あたしには…わかんない』
膝を抱えて、顔を押し付けたら涙が出た。
テレビの中の潤くんは、あたしには知らない人。
誰にでもキスできちゃう知らない人。
あんな風に、あたかも付き合ってるみたいに…。
あんな顔で他の女にも…。
消化不良は積み重なって、容量オーバー。
『…帰る?』
にのの言葉に首振ったら、ため息が聞こえた。
『帰るよ?ちゃんと、潤くんと向き合いなって?姉さんらしくないよ?なんで、全部溜め込んじゃうの?言ったらいーじゃん。嫌だって、全部嫌だって。解決するわけじゃないけど、少しはすっきりすんじゃないの?』
『…言えないよ…疲れた顔して…睡眠だって、ろくにとってないのに…頑張ってるのに…言えないよ…』
……言えないよ。
つづく。
きゃー。
遅くなってごめんちゃい。
なんか、朝からバタバタだったわぁ。
旗ふり当番忘れるとこやったぁ…なんとか間に合って、ほっ。
って、にのちゃん出してってわりとリクエスト多いから、久しぶりににのちゃん登場(笑)