最近…。
子猫に彼女を取られてる。
構って欲しいって、散々文句言ったクセに、最近はオレをほったらかしで、子猫に夢中。
『じゅんじゅん、おはよ』
起きてオレより先にチュッって、子猫にキスする彼女は、間違ってると思う。
しかも、その子猫の名前も考えもんだと思う。
『……こっちのじゅんじゅんまだなんですけどー』
『じゅんじゅんのご飯あげてからね?』
って、さっさと子猫抱いてリビングに行っちゃう彼女はやっぱり間違ってると思う。
んー…。
動物を飼ってみたいとは思ったけど、やっぱりまだいらねーな…。
あの人、すぐに夢中になっちゃうもん。
しばらくリビングで物音がしてて、危うくまた二度寝ゾーンに突入しそうになったら、彼女のチュッで目が覚めた。
『さあ、こっちのじゅんじゅんも起きろよ』
『…んー…』
彼女の腕を掴んでベッドに引きずり込んだら、彼女の笑顔が見えた。
最近、子猫に阻まれて全然…。
『…ねぇ、しよ?』
『やだ…朝から頭おかしいんじゃない?』
『だって、最近、仕事から帰ってくると、アイツが真ん中陣取ってて、お前を抱き締めようとすると、めっちゃ引っ掻かれるんだって!』
『知らないよ、そんなの』
クスクス笑う彼女に、彼女の手を取って導いた。
『……潤くんさ…なんでたまに履いてないの?』
『面倒くさいから』
『面倒くさいから?おかしくない?』
『別におかしくないよ』
『だってさ、また朝には履かなきゃいけないんだよ?だったら、最初っから…』
『いいじゃん。ほら、手間省けるでしょ?…早くして…』
『……変態』
『たまーに、野性的なオレ好きでしょ?』
身体を起こして、彼女を見つめたら、潤んだ瞳。
『好きじゃないよ、バカ…』
んだよ…やれんじゃん。
唇を重ねたら、背中にガッツリ子猫が乗っかった。
『あっ、この野郎。お前はいっつもいっつも!』
彼女の手が背中に伸びて、子猫を取ってベッドにおろしたら、キョトンとした顔でオレを見てる。
んー…。
そんな顔で見るなよ。
にゃあーって、ちっちゃく鳴いてオレを見つめる。
『……ダメだ、萎える』
『ねぇ、潤くん。じゅんじゅん、飼っちゃダメ?』
『ダメ。無責任なことしたらダメ。あっ、そういや、うちの番組のスタッフで子猫欲しいって言ってる人いたよ?お前、可愛くなったゃったから、全然飼ってくれる人探してねーだろ?』
『…えっ?探してるよ?』
ほらっ、目が泳いでるし。
『今日、もっかい聞いてみるから。欲しいっつったら、手放すんだぞ?』
『…うっ…うん』
彼女が子猫をジッと見つめたら、すりよってきてオレと彼女の頬を舐めた。
確かに可愛いけど、やっぱり無責任なことはできない。
……それに、違う意味でも早く彼女から離した方がいい。
そっから、あっという間にじゅんじゅんは貰われていっちゃった。
寂しい…。
潤くんは、あたしはすぐに夢中になるからダメなんだって。
子猫にかかりっきりで、潤くん放置になるからダメなんだって。
だって、潤くん忙しいじゃん。
これから、どんどん忙しいじゃん。
年末に向けて、家にいる時間なんて僅かで…。
ううっ…じゅんじゅんが癒しだったのにー。
静まりかえった部屋はなんだか寂しい。
最近、ずっとじゅんじゅんのお世話に追われてたから、空いた空間に何をしたらいーのかわかんない。
ソファに丸まってたら、玄関の開く音がする。
『ただいまー』
『…おかえり』
『んだよー、暗い顔してんな?そんなに、寂しいのかよ?』
コート脱ぎながら笑う潤くんに…。
『うん…寂しい…ああ、じゅんじゅんに出会わなきゃよかった』
丸まってたあたしの背中からソファに入り込んで、後ろから抱き締められた。
少し冷たい身体。
『…そんな風に言うなよ。お前があのとき、出会わなかったら、アイツ生きてなかったかもよ?』
潤くんの言葉に…。
あのとき弱ってたじゅんじゅん…そっか、出会わなかったら死んじゃってたかもな。
『…でも寂しい』
『じゃあ、こっちのじゅんじゅんの世話しろよ』
笑いながら、頬っぺたをペロッと舐められた。
『やだ、こっちの猫、めっちゃわがままだもん』
『お世話のしがいあるだろ?』
潤くん見たら、少し悪戯っぽい瞳があたしを覗く。
この人は、気ままな猫かなぁ?
野性的な猫?
でもきぃーつかぃーな、優しい猫。
引き寄せられるように唇を重ねたら、胸がキュンとする。
何回唇を重ねても、あたしは潤くんのキスが好きなんだと思う。
子猫はいなくなっちゃったけど、こんな猫も悪くないか…。
大好きだよ…。
おしまい。
あはははははヾ(゜▽゜)ノ
誰かがまだ続編見たがってたから、子猫の続きバージョン&さりげなく(全然さりげなくない)ノーパン話(笑)
あー、おっきな猫潤飼いたいなぁ。
お世話…かかりそうだけども。
こんなお話が見たいってのがあったら、今なら短編リクエスト受付中。
あたしの頭が働けばね(笑)