最近の潤くんは、一緒にいることに慣れて気を使わなくなったせいか、前から悪かったが更に寝起きが悪い。
『起きろよ!』
『……んー…』
『もう、遅刻しても知らないからなっ!』
布団の上から潤くん叩いたら、寝呆けて足でベッドから蹴り落とされた。
『…っ…うっせーな!』
何を?今なんて?
起こしてくれって言っときながら、うっせーな?
あったまきた!あったまきた!
知るかっ!バカっ!
足で一回背中蹴って、放置して、さっさと支度して、家を出た。
会社について、イラついたあたしを見て、てっちゃんが言った。
『ご機嫌斜めだね』
『イライラするから、お昼はてっちゃんが奢って!』
『意味わかんないし…しかもお前アイツが嫌がるから、オレとはランチしないんだろ?カルシウム足らないんじゃないの?』
『足らないのは、アイツの愛情だ!』
『…バカなカップル』
てっちゃんは鼻で笑って仕事を始めた。
バカは潤くんだけだ。
オレはマネージャーの電話で目が覚めた。
『うわっ!アイツ起こさなかったのかよ』
オレは慌てて支度して、マネージャーの車に乗った。
車の中でアイツに電話をした。
不機嫌そうに電話に出る彼女。
『もしもし、どちらさまですか?何のお電話でしょうか?ご用件お伺いしますけど?』
『なんだよ、不機嫌だな』
『あれ?起きられました?』
『マネージャーの電話で起きたよ』
『あっ、そうですか。それは良かったです!仕事中なんで切りますよ?』
『なんだよ、その喋りは…オレなんかした?』
『記憶にないならいいです!では、失礼します!』
思いっきり電話切られた。
『…なんだよ』
なんかしたっけ?
昨日だって…喧嘩もなく普通に寝たし。
全然、思い当たる節がない。
んだよ!女の不機嫌に付き合ってられっか。
仕事が終わって10時に家に着いたら、彼女がいなかった。
…いつもなら帰ってるだろ。
携帯出して、かけようと思ったけど…あーもう!いちいちアイツのご機嫌とりなんかしてられっか!
オレはソファで少し休んでシャワー浴びて、ソファで寝転んでテレビ見てたら、11時を回った頃に玄関の開く音がした。
『…おかえり、遅かったな』
声をかけたけど不機嫌そうな彼女から、返事はなかった。
オレは機嫌悪くても、ちゃんと挨拶はするぞ?
まあいいや…そっちがその気なら、こっちもそうする。
無言でシャワーを浴びに行く彼女を横目に、オレはベッドに移動して、ベッドに寝転んだ。
ベッドに寝転んだら、なんとなく朝、寝呆けた頭の中でアイツを蹴り倒したような…かすかな記憶を思い出した。
シャワーから戻ってきた彼女が、オレに背中を向けて、ベッドに寝転んだ。
オレも無視しようと思ったけど、やっぱりオレが悪いよな。
『…おい』
オレは後ろから、彼女を抱き締めて顔を覗きこんだ。
『空気悪いだろ…そろそろ話しようぜ』
彼女の返事はなかった。
『ずっとそうする気かよ?』
風呂上がりのいい匂いがする彼女にキスをする。
『…黙ってるなら話すまでキスしまくるぞ』
そう言って、キスするオレに耐えきれなくなって吹き出した彼女。
『…バカか…』
やっと、話してくれそうな彼女に謝った。
『朝、ごめん…オレ、お前のこと蹴っただろ?』
『ホントだよ、傷害罪で訴えるぞ』
『…それ大袈裟だろ』
『反省しろよ?寝起き悪いぞ?』
『ごめん…朝はダメなんだよ…ホントは寝不足の時は、更に機嫌悪くて触れられのもイヤで…』
『じゃあどうやって起こすんだよ?もう自分で起きろよ』
『…起きれねー、頑張って起こしてよ』
『今度蹴ったら、出てくからな?』
『なんか自信ないから、避けてくれよ…それか、優しくキスして起こしてくれるとか?』
『無理だろ…無理無理!』
『まあ…とりあえず…頑張ってくれ』
『あたしが頑張るんじゃなくて、潤くんが一番頑張れよ』
オレは笑って誤魔化して、彼女にキスをした。
『潤くん…また起きれなくなるから、早く寝ろよ』
『…もう寝れねー』
結局、潤くんに付き合って寝たのは2時で、朝、6時に起こせって言った当の本人は、なかなか起きない。
『…潤くん起きろよ!』
『…んー…』
『起きっ…!』
無言で潤くんの足が伸びてきたから、避けようとしたら、ベッドから落っこちそうになって思わず声をあげた。
『うわぁっっ!』
その声に潤くんが起き上がて、あたしの手を掴もうとしたけど、間に合わず落っこちた。
『…ううっ…もう出てってやる…絶対出てってやる!』
『ごめん』
笑いながら引っ張りあげて、謝る潤くんが腹ただしい。
『何笑ってんだよ』
『いや…鈍いなって思って…』
そう言いながら、可笑しそうに笑う潤くんが更に腹ただしい。
『…二度と起こさねー』
『ごめんごめん』
そう言って、潤くんが抱き締めた。
…なんか誤魔化されてるけど、こんな日常も悪くないと思い始めてる自分がいた。
潤くん…こんなあたしはあなたといて幸せなんでしょうか?
おしまい