【松本潤と妄想ストーリー☆彡第5弾第7話】
『ただいま~』
『おかえり』
あれ?待って…さっき電話でなんか言ったよね?
む…無理なんだけど…あたし。
『何?なんでそんなに部屋の端っこにいるの?』
『えっ?は…端っこが落ちつくから?』
『ふーん』
てっちゃんが、あたしに迫ってくる。
端っこにいたせいで、余計に逃げ場がないじゃないか!
『な…なに?』
『さっき電話で言ったじゃん…』
『…あの…あのさ…』
たじろぐあたしに、てっちゃんは吹き出した。
『なんか面白いな。嘘だよ』
てっちゃんは笑いながら立って、スーツの上着をハンガーにかけた。
ち…力が抜けた。
『てっちゃん…あのさ…』
『…いいよ。そんないつまでも別れた男のこと考えてる女なんかとキスしたって面白くもなんともないよ』
そう言いながら、笑うてっちゃん。
はあ…潤くん…今、何をして、何を思ってる?
あたしは、潤くんを忘れたいよ…。
それから1ヶ月が過ぎて、てっちゃんはホントに同居人のように接してくれて…あたしここにいていいのかな?
潤くんを全然、忘れてないし…。
むしろ、想いはつのるばかり。
テレビで潤くんを見かけてあたしが見てたら、てっちゃんが聞いた。
『この人好きなの?』
『…うん』
『……オレ気付いちゃった』
『何を?』
『前に…お前送った時に会った彼氏…こいつだよな』
てっちゃんの言葉にどっきりする。
『……てっちゃん…誰にも言わないで』
『言わないよ…言えないよ…』
てっちゃんの言葉に安心したと同時に、てっちゃんの優しさが染みる。
『ありがとう…てっちゃん…』
『別にお礼言われることじゃないよ』
『てっちゃん…どうやったら忘れられるのかな?…苦しいんだよ…』
本当に苦しかった…1ヶ月経っても何も変わらない。
てっちゃんは何かを考えたような顔をして言った。
『無理に忘れるなよ…好きなら好きでいいじゃん。だってお前、ホントにアイツのこと好きだったじゃん。そんな簡単には忘れられないよ…』
ううっ…てっちゃん。
なんてキミはいい人なの?
浮気さえしなけりゃ、ホントに素敵な人だったぞ。
『なんか、てっちゃん、知らない間に大人になったな…浮気者のてっちゃんの発言とは思えないよ』
『お前、大概、失礼なやつだよな。お前が気付かなかっただけだろ?』
そう言って、てっちゃんが笑った。
てっちゃんは優しいのに、なんで潤くんじゃなきゃダメなんだろう。
オレは、結局、1ヶ月経っても、彼女に合鍵を渡せなかった。
彼女はオレの仕事内容を把握しているせいか、オレの仕事終わりで、家にくるようになってた。
『あのさ…オレも少しやりたいことあんだ…ちょっといいかな?』
そう言って、パソコンに向かった。
彼女はソファに座って、雑誌をペラペラめくりながら
『潤くん、どっか行きたいよ~』
とおねだり。
『うん…飯でも後で食いに行くから、少し待って』
パソコンいじりながら、そう言ったら
『うんわかった…早くしてね』
って…なんだかな…。
オレはなんか落ち着かなくて、仕方なく途中で終わらせて、外に出ることにした。
『何か食べたいのある?』
『飲みたいな』
『わかった』
なんとなく、彼女のペースに合わせてきたけど、不自然で未だ愛せてはいない。
もっといったら、抱いたのは後にも先にもあの一回きり…というか、ホントは途中までで…オレ全然ダメだった。
店に入ったら…。
見慣れた顔に…息が止まって死ぬかと思った。
とりあえず、席についたけど落ち着かない。
アイツは全く気付いてないけど、会社の飲み会かな。
彼女が一生懸命なんか話してたけど、全然耳に入らなかった。
アイツがトイレに立ったのを見て、オレも彼女にちょっと電話って言って立った。
アイツがトイレから出てきて、オレを見たら、一瞬驚いたけど、笑って言った。
『おうっ!久しぶり!』
『…元気か?』
『うん…まあな…潤くんは?』
『…元気だよ…アイツとうまくやってんのか?』
『ご心配なく、うまくやってます』
『…そっか…オレさ…』
『ごめん!あたしさ、もう潤くんのこと忘れたいから』
そう言って、行こうとする彼女を押さえる。
『勝手なのはわかってる…忘れるなよ』
『…潤くんのこと忘れないと進めないんだよ』
そう彼女がオレの目を見て言った。
『おい…遅い…』
あたしの様子を見に、てっちゃんが来た。
『ごめん…今いく』
あたしは、潤くんの手を擦り抜けて行こうとしたら、てっちゃんが潤くんに言う。
『…なあ…こいつのことまだ好きなの?』
『…好きだよ』
『ふーん…彼女いるのに、よく言えるよね』
てっちゃんの言葉に潤くんの顔が変わった。
『……じゃあ、別れたら、言っていいんだな?』
『存分にどうぞ』
『その言葉、忘れんなよ』
潤くんはそう言い残して、戻っていった。
『…てっちゃん喧嘩売ったのか?』
『意外に迫力あったな…でもなんか邪魔したみたいでごめんな』
『いや…そんなことないよ』
ごめん、てっちゃん。
久しぶりに潤くんに会って、ドキドキしてる自分がいる。
好きで好きでどうしようもないあたしがいる。
だけど…潤くんのバカ…彼女いるのに口説くなよ!
オレは席に戻ってため息をついた。
『やだ…ため息なんかつかないでよ』
『あのさ…』
『何?』
『ずっと聞きたかったんだ…あの最初に飲んだ日のこと…』
『あーあれ?潤勘違いしてるかも知れないけど、何もなかったんだよ』
彼女が笑いながら言った。
『…そっか』
今更、知ったとこで遅いけどな。
『だって潤、酔っ払ってそのまま寝ちゃうんだもん。それよりさ…いつになったらちゃんと抱いてくれるの?』
『……一生無理かもしんねー』
彼女の顔がくもった。
『私さ、そんなに魅力ない?それともずっと過去の女にとらわれてるの?』
『…魅力がないわけじゃない…ただ、アイツは今までで一番好きになった女なんだ…今もこれからも…ずっと…』
オレの言葉に、彼女の顔が固まった。
『私をバカにしてるの?』
『ごめん…お前を好きだと思ったよ…でも…違うんだ…アイツが好きなんだ…忘れられないんだ』
『…私を好きになれないの?』
『ごめん…』
『これから、ずっと一緒にいても?』
『…ごめん』
『殴っていい?』
『…どうぞ』
言った瞬間立ち上がって、思いっきり頭殴られて足に蹴り入れられた。
『…うっ!…いってぇ…』
『顔やめてあげただけでも良心的じゃない?別れてあげる。サヨナラ!』
ううっ…女ってこえー…ヒールで蹴りはないだろ。
あんなに可愛かったのになぁ…オレ、女見る目がないんだな。
テーブルでグロッキーなオレの横にアイツが座った。
『潤くん…バカなのか?』
『バカだから、こうなるんだろ…アイツはいいのか?』
『てっちゃんが話してこいって言ったからさ』
『そっか…お前さ…戻ってこないか?』
『…あのさ…裏切れないよ…戻れるわけないだろ?』
『お前の気持ちはどうなんだよ?オレはお前が好きだよ』
『…ごめん…無理だよ…そんなこといまさら言うなよ』
『今更だよな…お前さ…アイツとキス…したのか?』
オレは思わず聞いた。
『…したよ…その先もした…もうあたしは、潤くんが知ってるあたしじゃないよ…だから、もう潤くんにそんなこと言ってもらえる資格なんてないんだよ…そんなあたしを受け入れられるのか?潤くん無理だろ?』
彼女の言葉がショックだった。
『……そっか…そうだよな…』
なんだか力が入らねー…。
『おい帰るぞー』
やつの声がして、彼女が立ち上がった。
『じゃあな…もう会わないと思うけど…』
そう言って、やつのところに行くアイツを見たら…胸が痛い。
なんか…お似合いだしな…。
幸せなのかな…幸せなら…いいや。
幸せになってくれ…。
つづく。