Rhythmicbeatの感想文 -6ページ目

Rhythmicbeatの感想文

気になった事柄の感想を記録していきます。
1年も経つと何でこんな話をしたのかわからなくなるのも楽しいし、
英文表現にもトライしたいし。

第八条

群卿百寮、早くまいりて、おそくまかでよ。公事いとまなし。終日にも尽くしがたし。ここをもって、遅くまいるときには急なることにおよばず。早くまかるときはかならず事尽くさず

 

 訳 政府役人諸君、朝早く役所に出勤し、夜遅くまで勤めよ。公務に暇はない。1日では終わらない。そういうことなので、朝遅ければ急な仕事に対応できず、早く帰ったら仕事が終わらない。

 七世紀の昔から、朝から晩まで職務に精励することを日本人は美徳と考えてきた。現代でも同じである。ともすると、成果によらず「夜遅くまでやりました」とアピールする者の方が優秀だと認識される。

 

第九条

信はこれ義の本なり。事ごとに信あるべし。それ善悪成敗はかならず信にあり。君臣ともに信あるときは、何事か成らざらん。君臣信なきときは、万事ことごとくに敗れん。

 

 訳 信用は秩序の源である。何をするにも信用第一である。例えば善悪や裁判の判断基準は必ず信用に基づく。上下に信用あれば何でもできる。上下に信用が無ければうまくいかない。

 

 これは現代でも、どこの国でも、何の組織でも当てはまる。日本国が中国(1894年)やロシア(1904年)と戦争をして勝った時は上下に信用があったが、1937年から始めた中国、イギリス、アメリカとの戦争は上下に信用が無かったので負けた。(上下に信用があったら、負ける確率が非常に高いと皆が知っていた戦争を始めることはなかったと思われる)

第十条

こころのいかりを絶ち、おもてのいかりを棄てて、人の違うことを怒らざれ。人みな心あり。心おのおの執るところあり。かれ是とすれば、われは非とす。われ是とすれば、かれは非とす。われかならずしも聖にあらず。かれかならずしも愚にあらず。ともにこれ凡夫のみ。是非の理、たれかよく定むべけんや。あいともに賢愚なること、みみがねの端なきがごとし。ここをもって、かの人はいかるといえども、かえってわが失をおそれよ。われひとり得たりといえども、衆に従いて同じく行え。

 

 訳 心の怒りを棄てて、顔に怒りを出さないように。自分と他人が違うことに腹を立てないようにせよ。人はそれぞれに自我がある。それによって行動に差異が出る。彼が是とする事を私は非とする。私が是とする事を彼は非とする。彼は必ずしも聖賢ではない。だからといって凡愚でもない。ともに凡夫である。是であろうと非であろうと誰が正確に判断できるだろうか。彼我ともに、あるときは賢であり、あるときは愚であることは耳飾り(環)の端が無いのと同じだ。だから、彼の人が怒っていると聞いても、顧みて自分に過失が無いか考えよ。自分ひとり「これだ」と思っても、多数の意見に従って行え。

 

 小学校の道徳講義(宗教観に基づく善悪の事例紹介)に、紹介されていたら私の後の人生に大きな影響を与えたであろう条文である。人間関係の基本的な考え方であると思うし、現代日本でもそのまま通用する教訓である。日本人の場合、「多数」を限りなく、「全員」にしたがる。そのため、例えば多数決で51対49でもやるという統率型のリーダーを好まない。

 安倍元首相はどちらかといえば統率型だったため国会でもあらぬ追及を受け、結局暗殺された。岸田首相は全員賛成型なので、減税しつつ金利を上げるようなちぐはぐな政策が多い、しかし有権者からは意思決定が無難に見えるので致命的な支持率低下に至らない。