液晶の開発を止めてしまったソニーと対照的に、液晶に全てを賭けて一時期成功したのがシャープです。シャープはブラウン管を製造しておらず、他社から購入してテレビを販売していたため、将来の映像のキーデバイスである液晶パネルを自ら作るということに集中しました。カラー化、高精細化、大型化と技術的には着実に進展し、かつ世界をリードするポジションになりました。
技術的には成功したシャープですが、失敗の原因は関連会社(材料メーカーや設備メーカー)への対応です。過激なコストダウン要請だけでなく、納入業者に工場付近の清掃をやらせたりしたため、関係者は、アクオス(シャープの液晶テレビのブランド名)をアクノス(悪の巣)と呼んでいる始末です。
本来、大企業は高付加価値の製品を開発し、得られる利益を関連会社にも享受できるようにすべきだと思いますが、シャープは反対に関連会社に厳しすぎたため、関連会社は韓国・台湾・中国へ材料や設備を販売することで利益を得ようとしたのです。開発者利益を関連会社含めて分かち合えば、海外への新材料や新設備の流出は抑えられた、或いは数年遅らせるような方策が可能だったと思います。