家事をするとき、長そでのブラウスの袖が邪魔だなあ、

と思ったことはないだろうか。

コップを洗うとき。
お皿をちょっと洗うとき。
何かを包丁で切るとき。
ガスコンロの前に立つとき。

とにかく、袖をまくりたい。

わたしは職場でも、袖をまくりたいことがある。

袖のボタンをはずしたまま、袖をぐっと上げておけばいいのだけれど、

しばらくすると、ずるずる落ちてきて、だらーん。

ああ、もう。

グループ授業のときなどは、とっさに「気にしない、気にしない」と

自分に言い聞かせる術を身につけたけれど、実は数年前から、

何とかしたいと思っていた。

そんなとき、ふと思い出したのが、遠い記憶にある「アームバンド」。

わたしがまだ日本にいたころ、誰かからいただいたことがある。

袖が落ちてこないように、上腕部につけるものだ。

それが、ただの実用品ではなくて、ほとんどアクセサリーと

言っていいくらい素敵なものだった。

今思えば、ブレスレットに使われているような、

透明で伸縮性のある糸くらい細い、ひもというかコードみたいなものを使って、

アクリルパーツを組み合わせた、立派なアームバンドだった。

あれ、ゴージャスだったな。

そういえば、ファッション系のインフルエンサーさんたちが、動画で

「袖が落ちてこないように、私はゴムを仕込んでます」なんて

言っているのを見かけることもある。

なるほど。

うちの裁縫用具入れには、いわゆる「パンツのゴム」がある。

あの、真っ白のゴム。

これを使えばいいか、と思った。

……でも。

袖をまくっているときに、「パンツのゴム」が見えたら、

ちょっとかっこ悪いかも。

別にいいんだけど。
いいんだけど、見えた瞬間にテンションが下がらないものなら、

そのほうがいい。

ということで、別の方法を考えてみた。

丸ゴムを使ってみたのだ。

適当な長さに切って、結んでみる。

できた。

つけてみる。

うーん……可もなく不可もなく。

何だかつけ心地がいまひとつで、結局、実用化には至らなかった。

そんなある日、ネットを見ていて、ふと思った。

――もしかして、「幅」があったほうがいいのかも?

そこで、アームバンドを作ろうと思ってゴムを注文。

それが最近、届いた。

わたしは、例外を除けば、最低でも1年に1回は

持っている服を着ることにしている。

だから、

「今日はこれを着よう♪」

と思って手に取ったのが、ワンピース。

短いボブカットでも、ちょっと編み込みアレンジなんかしたくなるようなワンピースだ。

そして、お昼ご飯を作るとき。

「よし、作ってみよう!」

と、突然やる気が出た。

手縫いでチクチク。

チクチク。

そうしてできたのが、今回のアームバンド。

まだ耐久性がわからないので、とりあえずゴムの長さをいっぱいに使って、

取れるだけアームバンドを作ってみた。

そして、さっそく使ってみる。

おお。

これ、いいじゃない。

つけ心地もいい。
袖もしっかり留まる。

すごく満足。

見た目はシンプル極まりない。

でも、こういう「ちょっと困っていること」を、

自分でちょこちょこっと解決できるのって、なんだかウキウキする。

しかも、今回作っているうちに、昔、誰かにもらった、

あのアクセサリーみたいなアームバンドの記憶までよみがえってきた。

アクリルパーツを探しに行って、ビジュ系のアームバンドを自作する。

……これも、ありだな。

いつかやってみたい。

ちなみに、今回ゴムを買うときに気をつけたのは、表と裏、

どちらでも使えるような作りになっていること。

これ、地味だけど大事。

表と裏があると、つけるたびに、

「えーっと、こっちが表だっけ?」

と、ひと手間かかるから。

さっと取って、さっとつけたい。

家事をするときに袖が落ちてこなくて、職場でも使えて、

つけ心地もよくて、しかも自分で作った。

うん。

これは、なかなかいい。

今日のミニ裁縫。

わたしのお気に入りアームバンド。