明日から春のバカンスが終わり仕事が始まる。
春は気候もいいので、もともと夫に旅行に行こうと提案していた。
でも、夫が、今回は、わたしの体調が万全でないので、
南仏のほうに宿をとって出かけるのはやめておこうかと言った。
それなら、パリ近郊、イル・ド・フランス近郊で、日帰りで少し遠出するのはどうだろう、
Saint-Germain-en-Layeを提案すると、あそこはもう二人で行ったと言う。
行ったのは、もうずいぶん昔の話なのだけれど。
夫からはChantillyはどうかと提案があった。
夫の提案に反対する理由もなく、少し日常とは違う環境に身を置きたく、
春の休暇はChantillyのお城の庭園を散策することにした。
わたしの車で行くので、最初は自分で運転しようとしたのだが、夫はわたしが
職場と近所のお買い物くらいしか運転しないことを知っているので
夫は自分で運転する気らしかった。それでも、今回はわたしがと、大丈夫と言って
運転し始めたのだった。きのうは、良すぎるくらの晴天で、
1キロほど走ったところで、サングラスをかけていても太陽の照り返しに
目が痛くなってきた。わたしは自分で運転するのをあきらめて、
夫にハンドルを譲った。
物事には自分でできることとできないことがある。
太陽が強く照る日には、わたしは目が弱くて「運転できない人」になり、
夫は「運転できる人」である。
これはどうしようもないと、ちょっとがっかりしつつも、
自分の限界を素直に受け入れる。
昼はどこかのレストランで軽く食べればいいと思っていたが、夫はサンドイッチを持って
いこうと提案した。
夫はこれまで、子どもの習い事の試合やトーナメントに付き添いながら、
こうした準備をずっと続けてきた人だ。最初はわたしがお弁当を作っていたが、
習い事の数も増え、そのうち彼が「自分でやるよ」と言い出した。
カマンベールチーズやリエットをバゲットに挟み、ミニトマトなどの野菜を洗って持っていく。飾り気はないけれど、よくできた、無駄のない仕組みだと思う。
道中、休憩所でそのサンドイッチをいただきながら進む。
シャンティイ城が近づくにつれて、視界がひらけ、広々とした景色が目に入ってきた。
その瞬間、来てよかったと思った。
町に車を停めて駐車料金を払う。土曜日は16時以降無料になるらしい。
歩いていくと、お城が見えてきた。
わたしたちは庭園を回るコースのチケットを買った。大人一人9€。
お城と言えば、やっぱり彫刻、芸術的なものが、評価され、大事にされていたのだろう、
騎士の像があった。
庭園には観光用の乗り物もあったが、夫はまったく興味を示さない。彼にとっては、
自分には関係のないものなのだ。
わたしは少しだけ、家族で乗れる小さな乗り物に心を引かれたけれど、結局口には
出さなかった。
そのかわり、数人でペダルをこぎながら進む乗り物を見て、夫が「あれは健康的かも」
と楽しそうに言っていた。
もう少し年を重ねて、この広い庭園を歩くのが大変になったら、そのときは提案してみてもいいかもしれない。
庭園は広く、ゆったりとした時間が流れていた。
白鳥が池に頭を突っ込み、お尻だけを水面に出している姿が、どこかユーモラスで
印象に残る。
よく歩いた。
帰りにboulanger(パンとケーキを売っているお店)
で買ったレモンのタルトとミルフィーユがすこぶるおいしかった。
ミルフィーユの上に載っていたホイップクリームの味が今まで味わったものと
全然違った。今まで味わった中でも一番かもしれないと思うくらいだった。
そういえば、ホイップクリームの「クレーム・シャンティイ(シャンティイ風のクリーム)」は、このお城の名前に由来しているらしい。
興味がある人は日本語で説明を見つけたので、こちらからどうぞ。


