ジャズ・コードは何のためにある?よしっ、Fly me to the Moon編曲・コードの記憶 | 音楽すること・生きること

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フランスに住んでいます。結婚、出産、国を超えての度重なる引っ越しを経てフランスに在住、長男が小学校5年生の時から仕事を
再開。その1年後にジャズピアノを始めました。
音楽・その他、日々の出来事を綴っています。

わたしは、周りに同じ年代の親しいジャズ友達がいない。

コードを覚えるが苦手だったが、アドバイスを受ける友達はいなかった。

今思えば、コードを覚えずに耳コピだけしていたから、

いつも、不安でしょうがなかった。

耳コピもコンピングやソロまで行かないでテーマだけで終わることが

ほとんどだった。勉強したことがないので適当に弾いていた。

こんなんじゃだめだな、そう思い続けてきた。

 

最近、コードが簡単に速く覚えられるようになった。

わたしがコードを簡単に覚えることができるようになる前に、

伏線があった。

 

覚えにくかった理由は覚えにくい部分があったからだ。

全部251なら問題はない。

なんでこんなコードが出てくるんだと思うと、

それが理解できるまで、そこで頭打ちになり、覚えるのをやめた。

そう言う壁がなくなった理由が3つある。

 

コードに対する理解が足りないと思ったわたしは、クラシックの

エクリチュールのクラスに参加してバッハのスタイルから

ロマン派まで、そしてフォーレまでのスタイルでソプラノ課題や

バス課題をやってきた。ジャズのコード進行は簡単なモーツアルトや

ベートーベンのコード進行にはとどまらない。もっと後の

ロマン派だったり近現代のラヴェル的な音がする時もあるし、

自分が思っていた以上にバリエーションにとんでいるという事を

感じ取ったこと。増六の進行などもよくジャズで見られたりする。

 

もっと、直接的な伏線は、今年参加したジャズの編曲のクラスで、

聞いた話があった。

ハ長調の各音の上にコードをつけた時に、その前に、そのコードをトニックとする

ドミナントが来るということ、また、そのドミナントの前に、

サブドミナントを持ってくることができること、

そこまでは熟知していた。

その、各ドミナントまたはサブドミナントを、トライトーンの音程の

いわゆる裏コードで代用できることでよりたくさんの組み合わせができることも

知っていた。これは知っていただけで、すぐにはどのコードと答えられない

レベルだった。でも、一度自分で書いてみようとしたときに、

わたしが異様に感じる組み合わせが目に入ったことがあった。

その時に思った。きっと変だと思ったコード進行は、このうちの

どれかの組み合わせだったのかもしれない、と。

 

それから最後の伏線は、モダルインターチェンジの説明を日本のジャズの学校の

ズームでの授業で聞いたことだった。

 

それから、わたしは、変な進行だと思った進行を特別視、解けない問題に

会った時みたいに敵視しなくなった。

 

極めつけにリードシートなしで曲を見てこなければならない機会2週間連続でできた。

覚えるしかない。

 

軽い気持ちでやると覚えられた。

例えば、お皿洗いする前に、i real proを見て、251や25を中心に

頭の中で整理する。調性は何、最初のコードはこの調整の何番目の音が

ルートになっているか、等々。

i real proの表示が目につくところ、テーブルの上などに立てる。

設定をコントラバスだけにする。最大数30回繰り返すように設定する。

あとは、鼻歌でハミングするか、音名で歌ってもどっちでもいい。

気がついたら覚えている。

 

覚えられなかった理由は、分析ができないとわからないからおぼえられないと

思い込んでいるところ。

若者は分析できないところがあっても、まずは実践で歌って覚えて、

後から理論がついてきてそうだったのかという事も多々あると思う。

リズムなしに歌うのがわたしの場合、モノトーンでやる気が

あまり出なかったが、i real proのコントラバスに合わせると

楽しい。これを繰り返すうちに、類似のパターンがあるので

すぐに覚えられるようになるのだと思う。

2曲覚えて気をよくして、新しい曲 Eclypsoもi real proで歌うと、

すぐ覚えられた。

でも、こんなに簡単なことだからと、覚えられないと思った経験のない人は

覚えられない人間が信じられないと思う。

頭が悪いのではないかと思うかもしれない。

わたしは長年、コードが覚えられないとつらい思いをしたが、

要は、メンタルブロックを解いて、ただ、歌うだけでよかった。

歌う回数が少なかったのかもしれない。

でも、よかったこともある。わたしは、自分がコードを覚えられないと

思っていたから、コードが覚えられないと、今、つらい思いをしている

人がいても、バカじゃないかとは思わないし、何かその人その人の

理由があって、今は覚えられないんだろうけど、続けていれば

何かのきっかけでできるようになると思えるから。

 

プロのジャズピアニストがコードを暗記できるのは当たり前、

できるからプロなんだと思うけど、プロの卵たちの若者達、

彼らもコード暗記がおそろしく速い。

数年の積み重ねでここまでできるようになるのだろうと言う

素敵な証明を目の当たりにできたことも幸せなことだ。

コードの記憶のことを書いた。

 

今度はジャズの編曲の話。実際のプロジェクトのために

Fly Me To The Moon を仕上げて、よしっ。耳コピをベースにしている。

自分で変えたところもある。パート譜までシベリウスで先生が出してくれたが、

その時に、わたしが、コーラスの生徒が歌でソロをとるので

そのためにコードを入れた方がいいでしょうかと尋ねた時のことだった。

先生は、生徒たちはおそらく耳でやるから、コードはいらないと思うと

言った。

また、トランペットのパート譜にも、コードをつけた方がいいかどうか聞いたら

必要ない、この曲ではトランペットはソロをとらないから必要ないと言った。

その時に思った。ジャズのリードシートのコード表記はソロをとるために

あったのかと。

 

プロのお話を聞きながら、ひとつ、またひとつと、学んでいっている。