コンサートまでも気をつけて | 音楽すること・生きること

音楽すること・生きること

フランスに住んでいます。結婚、出産、国を超えての度重なる引っ越しを経てフランスに在住、長男が小学校5年生の時から仕事を
再開。その1年後にジャズピアノを始めました。
音楽・その他、日々の出来事を綴っています。

先日、医者に行った帰りにスーパーで買い物をした。

けっこうな行列ができていて、

わたしの前には、おそらく70才代と思われる

フランス人マダムが二人並んでいた。

そのすぐ前のマダムが何度も振りかえり、

わたしの服装やわたしを注視するので変だなと思った。

普通はそこまでぶしつけに人の事を観察はしないと思う。

 

そのうち、スーパーの男性の店員が来て、

こちらの無人の、自分でスキャンするコーナーを開けます、

と言ったら、多くのお客がそっちの方に行った。

わたしは職場でもらったレストランチケットというものを

使いたかったので、そちらでできるかどうかわからなかったので

場所を変えずに、今までの列に並び続けていると

前のマダムがわたしに話しかけた。

「向こうに行ったら速いかも知れませんよ。

でも、わたしはきっとやり方が分からない。

夫がいれば…でも、夫は亡くなった・・・」

「最近のことですか。」

彼女は小さな声で言った。

「今、さっき。」

目に見る見るうちに涙があふれてきて、

わたしから目をそらし、いったん会話をやめ、

前を向いた。

そのあと少し落ち着いてから、彼女は、言った。

「それでも自分はいろんなことができる。

コンピューターも学びに行っているのよ。」

 

一緒に住んでいると、嫌でも、よくないところが

目につく夫と言うパートナー。

でも、健康でお互い暮らしていけているうちは

そのシチュエーション、その当たり前だと

思っているシチュエーションに感謝しなければいけないのかも

しれないとふと思った。

 

その日の帰りは、仕事が終わるのが夜遅く、

10時半ごろ、すごい霧の中、10メートル先が見えない

道を車で帰ることになった。

自分で自分に言った。

「ゆっくりでいい。

時速30キロメートルに落としてでもいいから、

事故にあわないように、

無事に帰らなければならない。

もうすぐコーラスの発表会があり、

わたしの伴奏が不可欠だから。」