仕事を終えて、ジャズのアトリエに行ったが、その前、仕事時間を
のぞいて、全然、ピアノに、さわれなかった。
いくつかの曲は練習していないと言う状況で、まったくアイデアのひきだしなしで
ソロをとらなければならないので気分がのらず、後ろ向きな気持ちになった。
リズムで冒険、と、3連符、16分音符、2拍三連など入れてみたが、
音の引き出しがないので、気に入った響きにならなかった。
5拍子の曲では、ドラマーはメトロノームのクリック音みたいに
おとなしいドラム音ではなく、当たり前だがいろんなリズムを交えるので
気が散った上に、まだ2日間の練習では実についておらず、これも撃沈。
ドラマーの先生が、その日はプロ試験を目指す生徒のいわば
養成コースのようなハイレベルな生徒の入学試験があったと言った。
わたしが前ついていたジャズピアノの先生が伴奏をするのが常だが、
またコンサートでもあったのだろう、彼は不在で、誰も他にピアノを弾く人が
いなかったのでドラマーだけどぼくはピアニストでもあるので
ぼくが全員3人分伴奏して、そこにいたジャズ科の他の楽器の先生達や
そこにいた副学長がそのピアノの腕に目を見張ったと言う話をした。
はじめは素晴らしいですねとわたしも言い、感心していたのだが、
話しが繰り返されて得意になっている先生を見て、
正直、「能ある鷹は爪隠せ」、「謙虚が美徳」の日本文化の土壌に育ったわたしには、
「何だかな・・・」と言う心境に変化しつつあった。
彼はドラマー、ピアノはうまいがプロレベルではない。
新しいスタンダードを見た時に、練習のつもりでジャズの講習会に行った時に
アトリエで指示された3度と7度で2分音符で弾いていたら、
「ぼくはピアニストでもあるからアドバイスできるんだけど
やんぱっぱは全部長く弾きすぎ、やんぱっぱは全部のコードを弾きすぎ」
と言われた。
ジャズボーカルの伴奏した時には、1拍目と3拍目くらいで入れるように
言われたと言ったら、その反対だと言って、
弾いて見せた。
仕事で疲れていたこと、自分のソロがうまくいかなかったこと、
それにピアノが得意と自分で繰り返す先生の演奏を
なんとなく聞きながら、うんざりしてきた。
うちに帰って、夫に言った。
「もう今年はアトリエに参加するのを止めようかと思うんだけど。
仕事のあとで疲れているし、ピアノと同じ役目を果たすギタリストも入ったし、
わたしが絶対必要と言うわけでもないし。」
ジャズの事は何も知らない夫だが、夫は言った。
「アトリエをやめることはジャズをやめること。
気に入らないことがあったら聴き流せ。」
止めたかったら、好きなように止めたらいいと言うかと思っていた。
その方がわたしが夜、うちにいる日が増えるから。
「そんなことでうんざりしてアトリエをやめるなんて馬鹿なことだ。
曜日を変えてでも続けなければいけない。」
さもジャズ通のように言うので、一体どういう風の吹き回しかと思った。
電話をかけてきた長男にアトリエをやめたくなってると話しても、
「もうジャズを長く続けて来たじゃないか。いまさらアトリエをやめることはないと思う。
ジャズ科のメンバーを見ていて思うんだけど、やつらはみんなで音楽やるのが好きだし、
それがジャズだと思う。
パパが言っていることは、間違っていないと思う。」
わたしが興味があって勉強していてそれを煙たがっているかと思っていた夫さえも、
グループのアンサンブルは続けるようにと言うし、
長男も、1人、ジャズピアノを弾いているより、みんなで弾くのがジャズだと思うって言う。
曜日を変えると言うのもありかもとも思ったが、もう、ただ、他の日には時間的に無理そう。
となると、現在のアトリエにたどり着く・・・
昨夜は、午後3時まで眠れなかった。
うまくいかなくてフツフツとする怒りに近い感情にふたをするのでなく、
フツフツ、マグマのようなものを抱えたままで、やってみようか。
『わたしにはジャズピアノ向いてないかも』と言う言葉が
自分の中で初めて浮かんできた。
『そんなこと今頃気がついた?』
前についたジャズピアノの先生が答えたような空想イメージが出てきた。
わたし、相当、疲れているようだ。
はぁーーーーーーーーー と長い溜息をついたところで、今日はおしまい。