バカンスの後にあった生徒達 (1) | 音楽すること・生きること

音楽すること・生きること

フランスに住んでいます。結婚、出産、国を超えての度重なる引っ越しを経てフランスに在住、長男が小学校5年生の時から仕事を
再開。その1年後にジャズピアノを始めました。
音楽・その他、日々の出来事を綴っています。

今日は、ちょっと変わった7歳の男の子のレッスンだった。

この子は興味のあることは何でも、質問する。

いろんなところに注意が行く。

レッスンに全然関係ないことに注意がそれると、

軌道修正に時間がかかった。

練習しないで、ピアノのレッスンについていけることが

練習しないとついて行けないことより上の事だという

変な思い込みのある子で、去年は実際ほとんど練習してこなかった。

わたしはこの子はレッスンを止めるだろうと思っていたし、

すごく感じのいいお父さんが言った。

「ぼくはピアノを続けてほしいのですが、本人が続けるかどうかわからないと

言っています。」

わたしは言った。

「練習してこないですしね・・・。他の先生に変わると言う事も

できますよ。」

お父さんはその言葉を聞いてがっかりしたようだった。

からだを大きくのけぞって落胆していた。

『そんな冷たいこと言うたらかわいそうやろ、(当時)6才の子のお父さんに』

第3者としてはそう思うが、この子は、なんせ特別な子だったのだ。

去年の生徒でまだ未登録の生徒には登録を忘れている可能性があるので

先生の方から未登録者に連絡するようにと職場から連絡が来たが、

この子の場合は自分でよく考えたらいいと思ったので、連絡しなかった。

来たら、丁寧に教える。来なかったらそれは本人の選択だからそれでいい。

 

9月になってお父さんから連絡があった、続けることになりましたと。

枠にはまらない子なので、ご両親にはさぞかし手がかかる子だと思う。

レッスンが始まる前に、とても男らしい上に、

この上なく感じのいい、素敵なお父さんは息子に厳しく真顔で言った。

「初レッスン、しっかり頑張るんだぞ!」

男の子の気合が違っていて、すばらしく集中してピアノを弾いていた。

その事や、読譜の課題の事を説明するためにお母さんに会った。

お母さんが言った。

「本人の強い希望でピアノを続けることになりました。

ピアノが大好きだと言っています。先生のことがとても大好きだと言っています。」

去年は、この子には手がかかり、やれやれと思うことも多かった。

『ほんまにピアノが好きなんか・・・?!』

好きを通り越してピアノが大好きと言う事になってるんか?!』

優しい顔ばかりしていられない相手だったので、こわい顔で

レッスンしていたこともあったと記憶している。

『わたしのことが、大好きだって?!』

お母さん曰く、

「今年、初めてのレッスンだから、ちゃんとしていたのかも。」

様子を見ないとわからないが、成長したということを期待している。

でもこの子が、「ぼくのDoudou !」と言って、眠る時に一緒にベッドに持って入る

可愛いぬいぐるみをレッスンに持ってきて、ピアノの上に置いた時は

心がほっこりしたことは、ここで告白しておこう。