今日は、フランス歌曲を2曲みることにした。
練習している時に歌曲と言うのは、本当に、作曲の授業の延長上の書法で
書かれていると感じた。
フォーレとプーランクのか曲だったが、もちろん、3音だけでなく、4和音以上や
変化音、ジャズで言うと、テンションと呼ばれる和音に性格を与えるような音、が
使われていたり、転調があったりするが、4声体が基本になっている。
弾き始めると、またしても、この感覚、左手の音が完璧に独立して聴こえる感覚に襲われた。
コントラバスを弾く人をバシストとフランス語で言うが、バシストは
その言葉通り、バスを受け持つ。最近参加したコンサートでウッドベース奏者と
リハーサル、舞台を共にする機会があったこと、昨日も、1メートル半の
距離のところにバシストがいて、一緒に音楽をしたことも一因かもしれないが
完璧に独立して耳に音が入ってくるのだ。
ピアニストでバッハやバルトークなどを勉強した人は、声部ごとに別々に聴こえるのは
普通だが、それよりもっと上のレヴェルのことを言っている。例えばコントラバスは
聴覚的にも、ピアノとは楽器が違うので当たり前だが音色が違う。視覚的にも、
バスラインだけを精魂込めて弾くバシストの姿を見てきている。
そうしたら、ピアノを弾く時に、音こそピアノの音色だけれど、
バスが浮き上がって聴こえてくる。全く別物に聴こえてくる。
メロディの添え物なんかではなく、そこに、1人の
音楽家が自分のすべてをかけて、紡ぎだすバスラインが存在し、それは、
とても大事なパートで、うまく言えないが独立して生きている、
そんな風に感じた。幸せな感覚だ。
フランスの作曲家が使う和声が好きだった。それで、そういう曲を弾きたくて
フランスに来た。なんのめぐり合わせか、フォーレやプーランㇰの歌曲の伴奏を
大切な試験のために頼まれた。知らない曲だったけど、聴いてみたらとてもきれいだった。
弾き終わってからになると思うけど、また、曲を紹介するね。おっと、本番まで2週間もない。
こっちの仕事はあと4曲あり。
昨日の合唱のリハーサルに、歌のメンバーとして参加していた中学生に会ったので
昨日は面白かったねと声をかけた。
彼女が言った。
"Vous jouez très bien;(「あなたは(ピアノが)とてもお上手ですね」)"
と言って、感心したように両手をパラパラと動かし、ピアノを弾く真似をした。
「ギタリストの音が小さくて、あんまり聴こえなかった。」とも言った。
お世辞を言うようなタイプの子ではないので 彼女の言葉を聞いてうれしかった。