平行短調の7番目の音につける変化記号 | 音楽すること・生きること

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フランスに住んでいます。結婚、出産、国を超えての度重なる引っ越しを経てフランスに在住、長男が小学校5年生の時から仕事を
再開。その1年後にジャズピアノを始めました。
音楽・その他、日々の出来事を綴っています。

この間、授業で平行調の話をした。たとえば、へ長調の平行調は
ニ短調。短調、正確には和声短音階の7番目の音は半音上げる、等。

練習課題を与えてみると、ハ短調の音階の7番目の音を半音
上げるのに シャープを使っている子がいた。
よくできる子なので、言われた課題より、先のハ短調のところまで
自分で勝手にやってみていた。

なになに、こういう間違いがある。わたしの頭の中にインプットされた。
半音上げるには、調によって3つの方法がある。
半音上行変化させたい7番目の音に、調号のところでフラットがついて
いれば シャープではなく、フラットを打ち消すナチュラルをつけないと
いけない。
また、7番目の音に調号として既にシャープがつけられていれば、
ダブルシャープをつけることになる。

年末年始にも、授業の用意をしたかったが、時間に追われていては
できない片付け、掃除をすることに決めた。おふろ場にもう
使わなくなって久しいこどものおもちゃがあった。日本にも
あるんじゃないかな、プラスチック製のおもちゃで、先がちょっと
広がった円筒状の物で、入れ子になっている。1,2,3,4、・・・
数えてみると8個あった。8個と言えば、音階ができる!

わたしは それで教材を作った。入れ子になったおもちゃのコップに
大きいほうからローマ数字でⅠ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ Ⅰ と記した
紙を貼る。パステルカラーで優しい色合いのそのおもちゃは、おふろで
遊ぶ物なので水が落ちるように小さい穴があいている。都合がいいことに
7番目のコップには小さな穴が3つあいていた。つまようじを入れたら
短い上に、直径が小さすぎて駄目だった。ケーキの焼き具合を試す
竹ぐしを入れてみたら、とんがった先は入り、途中でうまく止まったので
旗を作ることにした。シャープの旗、ナチュラルの旗、ダブルシャープの旗。

教室にもって行く前に、うちで、こども達がそれを見て大喜びした。次男は
自分でもオリジナルの旗をお絵かきして竹ぐしにさし、パパに、壁に貼って
もらった。

教室では・・・。わたしが、これはこども達が小さい時使っていた
おもちゃだけど教材にしたと見せた瞬間、一人の子があこがれたように、
いや、懐かしむようにと言ったほうがいいかもしれない、見ていたかと思うと、
とびつくように言った。「わたしが何かお手伝いしたい!」
思春期のこども達の難しいクラスである。いつもクールにしている男の子が
発言した。「それ、積み重ねられるよ。」大きいほうから積み重ねてみた。
そして、椅子が三脚あったので横に並べようとしたら、落っことしてしまった。
そんなところで笑うのは、はしがこけても笑うという、このクラスの特徴。
平らだから机の上に並べたらよかったねと言うと、さっきの女の子が
「わたしにやらせて、わたしにやらせて。」と申し出た。「ぼくも、ぼくも。」
と もうひとりがおどりでてきた。なんだ、なんだと、わたしが驚くほどの
エネルギーが向けられていた。旗を指すのにあてられた子達の
うれしそうな顔。その後、課題をしている時に、質問がとんだ。

わたしは、その学校では新任の教師だし、外国人姓だし、誰もわたしの
名前になじみがなかった。でもその日から、生徒達はわたしのことを、
名前で呼ぶようになった。長男の習っている音楽の授業中にもそういう
ことがあると聞いていたので驚きはしなかったが、わたしのことを
親しみを込めてファーストネームで呼ぶ子が出てきた。

おもしろくなってきた。音譜