いいえ、必ずお返しします | 音楽すること・生きること

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フランスに住んでいます。結婚、出産、国を超えての度重なる引っ越しを経てフランスに在住、長男が小学校5年生の時から仕事を
再開。その1年後にジャズピアノを始めました。
音楽・その他、日々の出来事を綴っています。

Yさんはうちの長男に言った。
今日はこれぐらいにしよう。バイオリンは楽器の中でも1番
難しい楽器のひとつなんだよ。音程も自分自身で気をつけなきゃ
いけない。きれいな音がでるようになったら、きいてあげるから
またいらっしゃい。1日2時間くらい毎日練習しなさいよ。

1日2時間が具体的な長さとして感じられていない当時6歳の長男は
こともなげに、はい、と素直に返事していた。でもわたしの方は
心の中で、2時間?この子には不可能だと思った。

ピアノを弾かせても、4小節の曲をつっかえながら弾きとおして
機嫌よく、もうおわり!の長男。間違えたところを練習するよ、
と促すと、返事はいつも、ううん、これでいいの。進歩があまり
なかったが、この子にあった時期がまだきていないんだとみなして
そのまま4小節1回弾きみたいな状態で続けていた。

バイオリン、毎日できたらよしとしよう、と自分で自分に言いきかせた。

Yさんはわたしに言った。、
このバイオリン、誰も使っていないから、差し上げましょう。
レストランでも同じことを言ってくれたが、わたしはその気持ちに
感謝しつつ、いえ、必ずお返しします、とお返事した。
Yさんは言った。こどもの成長にともないバイオリンも変えていくもの。
体が大きくなったら、その体に合うバイオリンを使うんだ。
バイオリンを続けるのだったら、次のサイズのバイオリンも
その次のもうちにあるよ。使ってね。