
音楽は常に聴ける環境です。寝ているときもラジオをつけているし、幸いなことに仕事も音楽雑誌なもので聴くことに支障がないのです。大抵は山のような音資料をこまめにチェックする日々なのでありますが、でも100%仕事関係の音楽だけを聴いているとは限りません(笑)。よく職権乱用とも言われますが、僕は自分が本当に愛している音楽だけを真摯に語りたい人間であります。最近の愛聴盤といえば4月にリリースされた高野 寛さんのニューアルバム『カメレオン・ポップ』。これが素晴らしい。前作『Rainbow Magic』も久々のソロアルバムで狂喜したけれど(このツアーのときにPlayerでライブ機材取材もしましたね)、『カメレオン・ポップ』は高野さん自身でミックスまで手掛けていて、音の肌触りが今までとちょっと変わった感じでそれも含めて凄く気に入っています。
中でも『カメレオン・ポップ』冒頭を飾る「On the Timeline」は、当時『CUE』の「I・O・N」を初めて聴いたときに通じるアッパー感がある気がします。もうそれだけで傑作間違い無しって思ったからね。高野さんもツイートしていたけれど、この曲の歌詞って震災後に聴いた人間にとっては恐ろしいくらい真芯に響くメッセージがありました。震災のバタバタからようやく立ち直れつつあった4月下旬にリリースされたわけだから、当然震災前に作られたアルバムのはずなのだけれど…“あの日は戻らない(クヤマナイ) 明日はまだ来ない(あせらない) 話をきかせて(泣いたり 笑ったり) 今すぐ 今すぐ あなたに会いたい!” …何気ない言葉のようで妙に胸に刻まれるような言葉だったんだよね。この曲と「GLOW」はとりわけ何度とリピートして聴きたくなります。
そして『カメレオン・ポップ』はカヴァー曲も話題なんですが、「君に、胸キュン。」を取り上げるとはね。しかもトッド・ラングレン「I Saw The Light」も演っていて、高野さんのミュージシャン人生を語るに欠かせないキーパーソンのカヴァーに挑んでいるのはやはり面白い(そういえばGANGA ZUMBAって高野さんとtatsuさんというトッド・プロデュース門下生が2人いるんだよね。そう考えると凄い)。アレンジ的にはエレクトロニカテイストをほんのり混ぜたまさに今ならではのギターポップアレンジ。近年の作風としてアコギは絶対入ると思っていたけれど、ドライブトーンやワウペダルを織り交ぜた音作りは個人的に意外でした。サビをクリシェで上昇させていくさり気ない爽快感がたまらないのであります。今日のライブでも披露されるのでしょうか?
実は今日、いよいよレコ発ライブなのです! アルバムの音世界をどんな風に再現してくれるのかが観どころですね。COREDO室町内にある本橋三井ホールは観やすいし音も良いのでオススメです。
高野 寛 new album 「Kameleon pop」発売記念ライブ ~HT modern times review~
2011年7月8日(金)18:15 / 19:00 日本橋三井ホール
[メンバー] vocal&guitar 高野 寛、drums 宮川剛(GANGA ZUMBA)、bass 鈴木正人(little creatures)、guitar & chorus 田中拡邦(MAMALAID RAG)、key & mac 山本哲也
まだチケット買ってないよ~というかた、当日券(全席指定 ¥6,000)も日本橋三井ホール会場では17:15より発売される模様です。当日券の予約とお問合せは03-5436-9700(12:00~16:00)まで!