
幼少から炭酸水が大好きだ。毎日飲んでいるのではないだろうか? 特に近年はカロリーゼロの炭酸水が豊富なので嬉しい。ペプシNEX、コカコーラゼロを中心にして、7UPやジンジャーエールのカロリーゼロ系はとにかく愛飲している。正直ない生活は考えられないと思うほど。炭酸は強ければ強い方が良い。ここんところ弱炭酸系に進んでいたところがあったけれど、最近はメッツやペプシのエクストラハードもあったりする。あのパンチのある炭酸は良い。あの感じが良い。良い年齢になってもまだまだ炭酸水はやめられない。アルコール類を一切飲まないこともあり、喉越しの爽快感とかそういうを味わえるのは僕にとって炭酸飲料しかないのだ。
炭酸水のような爽快感たっぷりの音楽も好きだ。今日御紹介するのは注目のインストバンドKAGEROである。

「ROYAL KLOVER CLUB」の冒頭白水 悠がベース弦を叩き付けた爆裂音と鈴木貴之による叩きまくりのドラムソロ…しかし、佐々木“Ruppa”瑠のテナーサキソフォンの音が鳴るとともに、エレガントな菊池智恵子のピアノプレイも加わり空気が一変する…。KAGEROのバンドサウンドは暴力的とも言えるフリージャズ/パンク的なアティチュードとジャズテイストが交錯するアグレッシブなものだ。カヴァーアルバム『SCREEN』を経て完成させられた2ndアルバム『KAGERO II』は、レッドゾーンを振り切りまくる熱いプレイが詰め込まれている。とは言え、何かしらの音楽ジャンルで彼らを囲い込むことはかなり難しい。
「CHEMICAL ONE」「STRAWBERRY SHAKE」でジャズテイストも垣間見せたかと思えば、「AIR」では菊池智恵子が現代音楽的な超絶ソロを聴かせたり、「BAMBOO 狂』ではブラジル音楽っぽいリズムメイキングを織り交ぜていたり、「WHAT'S YOUR NAME?」「REVOLVER」「THE COLD」はムーディに酔わせたり…。しかしながら最後まで聴かないと曲の全貌がつかめないようなドラマティックなアレンジが施されており、とにかく『KAGERO II』は重厚な聴き応えを擁している。ダーティでデカダンスなムードを漂わせつつ、メンバー4人のバラバラな音楽性を自由に行き来するかのような音世界だ。
メンバー全員がとにかくポテンシャルの極限でプレイしているあのような熱演ではあるが、中でも聴きこたえたっぷりなのが白水 悠のベースプレイ。フェンダー・ジャズベースをプレイしているようだが、いわゆるベースプレイの枠にもとどまらないし、ジャジーなベースを弾こうなんて気も多分ないんだろう。勿論楽曲によっては滑らかな4ビートのラインも紡いでいくのだが、先述のように弦を叩きつけるわ、ブーストさせるわ、KAGEROのバンドサウンドを何かしらの予定調和には持ってはいかせないストッパー的な役割も担っているかのよう。近年インストバンドが花盛りではあるが、攻撃的な音作りという意味ではKAGEROは相当抜きん出たスタイルを構築しつつある。
12月8日リリースの『KAGERO II』を引っさげての全国ツアーを展開してきた彼らだが、いよいよ今週末はツアーファイナル! 新宿レッドクロスでのワンマンライブを行なう。生粋のライブバンドによる何が起こるかわからないギグをぜひ体感していただきたい。
KAGEROⅡRelease Tour "CLUB ROYAL KLOVER" FINAL-ONE MAN GIG-
2011年01月22日(土)OPEN 18:30 / START 19:00 新宿紅布
http://www.sputniklab.com/redcloth/
adv 2500yen (1D別¥500)
INFO:H.I.P. / 紅布 03-3202-5320

KAGERO『KAGERO II』
Ragged Jam Records / 76Records
RAGC-003 2,520円