よくあるベスト10とかとてもそんな風に選べないので単なる羅列です。しかしこう振り返ると邦楽偏重ですね。インストものでも洋楽でもいっぱいライヴ観ているし、いっぱいインタビューとかやっているんだけれど、自分の気持ちに偽りなしに思い浮かぶのを書くとこうなるんですね。…っていうか、今の洋楽ってそんな面白いと思わないんだけれどな。
 もっとも僕がいちばん聴くのは旧譜なのかもしれないけれど。

北村和孝 rhythmagic 楽興のとき

JAPAN
ASPARAGUS『ASPARAGUS LIVE』
advantage Lucy『飛び立った7頭の蝶たち』
石橋英子『ドリフティング・デヴィル』
イノトモ『夜明けの星』
THE ORANGES『15~THE BEST OF THE ORANGES』
カジヒデキ『ロリポップ』
河口恭吾『HORIZONT meets 常田 真太郎』
木村カエラ『+1』
空気公団『メロディ』
久保田洋司『ゆめゆめ』
CRAZY KEN BAND『ZERO』
小泉今日子『Nice Middle』
時空海賊SEVEN SEAS『Imagination』
白根賢一『manmancer』
ジン『クオリア』
SKAYMATES『キャンプ イン ダ ハウス』
鈴木慶一『ヘイト船長とラヴ航海士』
鈴木祥子『スウィート・セレニティ』
曽我部恵一BAND『キラキラ!』
染谷 俊KNOCK ON POPS』
DETROX『detroxIII』
TOKYO No.1 SOUL SET『No.1』
堂島孝平『UNIRVANA』
堂島孝平『THE UNIRVANA SHOW』ライヴ盤
土岐麻子『TALKIN'』
中村あゆみ『VOICE』
NICO Touches the Walls『Who are you?』
Bajune Tobeta『青い蝶』
Perfume『GAME』
the band apart『adze of penguin』
バンバンバザール『ウクレレ バンバンバザール』
VITAMIN-Q featuring ANZA『ビタミンQ』
FUZZY CONTROL『4FORCE』
Fabienne『Innocent Note』
ぶどう÷グレープ『愛もれ』
FREENOTE『ルート3』
VELTPUNCH『Paint your life gray』
miu mau『Design』
モダーン今夜『天気の存在する理由』
羊毛とおはな『こんにちは。』
山嵐『狼煙-NOROSHI-』
YOUNGER GENERATION『YONGER GENERATION』
Yum!Yum!ORANGE『ORANGE ROCK FES 33』
YUI『I LOVED YESTERDAY』
Lamp『ランプ幻想』
reach up to the universe『You&Me』

 石橋英子『ドリフティング・デヴィル』は現在ライブ会場やレコード屋などで配布されているフライヤーに僕のホットなレビューが掲載されています。今年出逢ったreach up to the universe『You&Me』は、もし僕が10代だったらこういうバンドをやっていたいよなぁというアプローチのギターロック+チェロのシンフォゲイザー・サウンドに感動しました。空気公団『メロディ』、土岐麻子『TALKIN'』、Bajune Tobeta『青い蝶』、モダーン今夜『天気の存在する理由』、Lamp『ランプ幻想』はただただ単純に憧れる作品でもあります。Bajune Tobeta、Lamp以外はライヴも行ったけれど感動的だった。CRAZY KEN BANDは毎年素晴らしいけれど最新作『ZERO』も濃密でしたね。鈴木慶一『ヘイト船長とラヴ航海士』はレコード大賞アルバム賞に輝いたという。過去と未来を行き来する音世界が素晴らしい。楽曲はいまだに淡白に聴こえるのだけれど、それでもなんか気になるという1枚。鈴木祥子『スウィート・セレニティ』、これも素晴らしいですね。祥子さん、相変わらずお美しかった。堂島孝平くんの『UNIRVANA』は彼の最高傑作だと思います。楽曲の完成度、アルバム1枚通しての構成力、すべてがもの凄いところに到達していました。Perfume『GAME』は言うこと無し。武道館公演も面白かったね。the band apart『adze of penguin』はよりクリーントーンのギターアンサンブルを追求した現在型ならではのバンドサウンド。対して加藤和彦、土屋昌巳らによるVITAMIN-Q featuring ANZA『ビタミンQ』は、60~70年代ロックを再現したプロミュージシャンとしての真骨頂を見せつけた音が衝撃的! 来週のライブも楽しみだなぁ。ぶどう÷グレープ『愛もれ』はジャパニーズ・ニューウェーヴ真の継承者ならではの渾身の1枚。セールス的にも知名度的にももっと上がって然るべきのバンド。最初っから永井秀彦さんってポピュラリティを持った才人なので、ぶっちぎって過激なくらいのほうがヴォーカル久美子ちゃんと釣り合いとれる気がします。Yum!Yum!ORANGE『ORANGE ROCK FES 33』は遂にレピッシュの恭一さんとのコラボレーションが実現。バンドの演奏力が一層スケールアップしたのを感じました。ヤムヤムもヒット曲出ていい頃なんだけれどなぁ。
 そして今年は何よりもFabienne『Innocent Note』。古賀森男さんが帰ってきてくれました。このひとは土屋昌巳さん同様、僕にとっては神のようなひとです。文句無しの傑作でした。こういうアルバムを僕は待っていた! 「ジャケットはプレイヤーの広告をみていて思い浮かんだんだよ」的なことも言ってくれたりして…。古賀さん、今年はもっとライヴやりましょうよ~。

北村和孝 rhythmagic 楽興のとき

INSTRUMENTAL
9dw『9dw』
神保 彰『ゲット・アップ!』
野呂一生『INNER TIMES』
山本恭司『HEALING COLLECTION ~ The Best Of Kyoji Yamamoto~』

 なんかもの凄い聴いたんだよなぁ、インストものも。圧倒的によかったのはカシオペア人脈と、超新星のように現れた9dw!! これは聴き狂いました。いまでも飽きませんし、いまだにバッグに常備。名盤だと思います。クロスオーヴァーテイストにヒップホップ以後の発想が融合されているがゆえの、ストイックな人力ダンスビート・アプローチがとにかく快感でした。恭司さんのはベスト盤なのだけれど、いわゆるヒーリング系を彷彿させるギターインスト集で、ベスト盤というよりオリジナルアルバムとして聴くほうが正しいと思う。この艶やかで棲んだギターのトーンの重厚さ…一流ミュージシャンの尊さを再認識した次第です。

北村和孝 rhythmagic 楽興のとき

OVERSEAS
ELLIOT MINOR『ELLIOT MINOR』
JASON FALKNER『Bedtime With The Beatles part two』
DUNE『ウイー・ア-・イン・ゼア・ユー・ア-・アウト・ヒア』
HIGH PLACES『HIGH PLACES』
BIG ARM『Radiator』
THE PLAYING FAVORITES INTERVIEW『アイ・リメンバー』
Roger Joseph Manning Jr.『Catnip Dynamite』
Rotary Ten『These are our hands』

 飛び抜けたのがなかったような…。COLDPLAYとかもあの曲以外はイマイチ印象残らなかったし(苦笑)、オアシスも2nd辺りのマジックにはおよばない楽曲。これは洋邦問わず思うんだけれど「メロディ出尽くしたの?」っていうくらい、インパクトが薄い曲が多いんだよね。僕のアンテナがますます錆び付いているのかもしれないけれど。ジェリーフィッシュ・ファンにはロジャーの新作は嬉しかったし、ジェイソンとのまさかの共演もサプラオズでした。TV EYESも良かったよね。BIG ARMはハッピーマンデイズの血を見事受け継いでいる秀作。マンチェ系好きなひとはちゃんとチェックしろよ!って感じ。HIGH PLACESはポップミュージックの最前線にいる女性vo+男性perによるカップルデュオ。ライヴも面白かった。これから注目度が高くなってくると個人的に思っているんですが。ニューカマーという意味で最大のヒットはロータリーテン。演奏技術も見事だし、ネオアコ~ギターポップの神髄を聴かせてくれます。初期REM好きなんだってさ。ロータリーテンもほとんど話題にならなかった。もの凄く名盤なのに…。気になるひとがいたら、僕がやったインタビューのテキストをお送りしますよ。

北村和孝 rhythmagic 楽興のとき

VISUAL
サディスティック・ミカ・バンド『サディスティック・ミカ・バンド』
JOY DIVISION『JOY DIVISION』
スティーヴ・ジャンセン『オカーレンス・オブ・スロープ』
BOWWOW『BOWWOW SUPER LIVE 2007』
松井常松『PREMIUM STANDARD PLUS』
moonriders『LIVE at SHINJUKU LOFT 2006.4.15』

 あんまり映像作品は観るほうではないんですが、上記のは印象が残っています。ミカバンドは記者会見での僕の質問部分がボーナスディスクにまんま入っている(笑)。ジョイディヴィジョンはまさかのライヴ映像込みの映画で驚きました。ニューオーダーならともかく、ジョイ・ディヴィジョンでこんな話題になる日が来るとはね…。オリジナルアルバムは2枚とも風化しない作品だよね、本当に。松井常松さんのDVDはライナーノーツ及び、なんとインターでは僕の撮った写真が採用されています。これは嬉しかった。ライダーズのライヴDVDは資料用レベルのクォリティの映像だけれど、ロフトでクラウン時代を再現したことにはめちゃくちゃ意味がある。この日はポータブルロック、シネマが対バンだったんだけれど、後追い世代としてはまさか目の当たりにできる日が来るなんて想像すらできなかったわけで…生きているとたしかに良いことってあるんですよね。

 2009年はトクマルシューゴくんの新作に期待。4月にミニアルバム+DVD、そしてうまくいけば年内にアルバムが出そうです。4月にはDOESとmonobrightもアルバム出しそうだし、2月に出るユニコーンとか3月のチャットモンチーも素晴らしい。きっと今は邦楽のほうがエキサイティングな楽曲が多いんじゃないかな?