ブログネタ:日本に生まれて良かった? 参加中ドンズバの日本芸能に深い関心を持っているかと言われると怪しいんですけれど、洋楽文化にかぶれて育っている僕も、こと邦楽となると日本人のアイデンティティが備わっているものが好きです。はっぴいえんどでもムーンライダーズでも久保田麻琴さんでも近藤等則IMAでもTHE BOOMでも、何処か日本人ならではのテイストが加味されたロック/ポップスというものを聴いて育ってきたっていうのが大きいんだろうな。でもって、今回ご紹介する羊毛とおはなにもやはりそんなテイストが感じられて素晴らしいのです。素直に感動するし、日本に生まれて良かったっていうか、日本人でよかったなって思います。外国人にこの良さは実感できまい!と勝手に勝ち誇ってみたりしてね。外国に行ったり留学するととりわけその想いは強くなります。振り返ってみれば、上海に留学したときも結構持っていった邦楽を聴いていたものなぁ。

今宵は羊毛とおはなを観に渋谷パルコ劇場に行ってきました。羊毛とおはなもアメブロやっていますので要チェックです。
http://ameblo.jp/youmoutoohana/
渋谷パルコ劇場っていうのがこれまた何十年か振りに行ったんだよね。岡村靖幸主演映画「どんなことして欲しいの僕に」舞台挨拶だったか、やはり渡辺美里主演映画「Flower Bed」を観に行ったときだったか…。実際その場に行ってもまったく昔の記憶が蘇らなかったという。でも妙に懐かしさだけ感じたんだよね。それは羊毛とおはなの音楽によるところも多いと思う。
羊毛とおはなは流麗なガットギター・プレイで魅了してくれる羊毛さんと、透明感あふれるシルキーヴォーカルとは裏腹のぶっちゃけトークが可愛い千葉はなちゃんのデュオ。初のオリジナルアルバム『こんにちは』で衝撃を受けましてインタビュー取材したのが出逢い。それ以来追いかけていたのですが、実はライヴは初体験でした。この日は2部構成で1部がいつものようなデュオ演奏、2部がバンドセットでの演奏。非常に素晴らしかったですね。完璧に近いライヴとはこのこと。彼らは今後どんどんシーンに台頭してくると思います。
羊毛さんはアルペジオ主体のしっとりとしたギタープレイもすれば、スティングの「Englishman in NewYork」ではファンキーなカッティングリフに痺れるようなスピーディなパッセージを織り交ぜたりと、かなりのテクニックをともなったギタリストでもあります。でもはなちゃんの歌に寄り添うようなアプローチからは絶対にズレない。本当、良いコンビネーションなんですよね。仲の良い恋人同士のコンビネーションみたいなのとはまた違った、プロミュージシャンの技。彼らはまだ若いミュージシャンですけれど凄い才能豊かだと思うんですね。
2部ではドラム、ウッドベース、ピアノ&シンセを率いてのバンド演奏で、こちらはオリジナル主体のセットリストでした。羊毛とおはなってカヴァーが非常に評価高かったりするんだけれど、僕はオリジナルのほうが好きです。羊毛さんの書く曲って非常にクォリティが高い。はなちゃんだから歌えるんだよ、あのメロディは。「Falling」「手をつないで」はコリーヌ・ベイリー・レイが楽曲提供したことでも話題になり、しかもそれを富田ラボこと富田恵一が複雑怪奇クロスオーヴァーアレンジに仕立てたわけですが、それらの曲と並んでも羊毛ナンバーって全然違和感がない(笑)。
この日特に鳥肌がたったのは「輪」でありました。羊毛さん自身が歌詞を書いた曲で幾分実験的なテイストも濃いんですけれど、これは絶対に彼にしか書けない。そしてはなちゃんが郷愁を自らの歌詞で歌いあげた「おまもりのうた」も痺れたなぁ。とりわけこの2曲の楽曲クォリティというか名曲度はものすごく高いので、女性voもの、アコースティックものがお好きなかたには絶対にチェックしていただきたい。ラストは「カントリーロード」のカヴァーで終わって、確かに一般的には理想的な大団円なのかもしれないのだけれど、僕はせっかくのバンド演奏だし「Falling」が聴きたかったよ。それだけが唯一残念だった点だけれど、今年観たライヴの中で指折り数える中に入る素晴らしいものでした。
生楽器趣向でいろんな音楽テキストを混ぜ込みつつ、何処かしら和風テイストも織り交ぜたオリジナル曲の方向性と演奏。渋谷パルコ劇場という場所のイメージもあって、チャクラ(小川美潮)、遊佐未森etc...福岡知彦さんラインを思い出してしまった僕でした。