
経験値からいうと、幼少の頃に水泳を習ったおかげで水の怖さっていうのはなかった。泳ぎ方を覚える前に水に浮かべること、両手を同時にかけば上半身が浮き上がって息継ぎは自ずとできる…こういう基本的なことが身体でおぼえられたんです。水泳はちょこっとでも習っておくといいかもしれないね。スポーツだと剣道を習っていたので中学時代までは剣道部のひとと競えるくらいは打ち合えた。引き胴が得意だったんだよね。習っていたときは嫌々だったけれど、意外とこうして身体で憶えることってあるもんだなっていうのは後になってわかりました。その意味ではスポーツって何であっても役に経つんだと思うよ。
サッカーを習わせたいとかも思ったりするけれど、やっぱり水泳ってスポーツのひとつの基本だとも思うから。僕もまずは幼い頃から水泳を習わせたいって思いますね。御稽古ごとってさ、ピアノでもそろばんでもなんでもそうだったけれど、だいたいにおいて習っているときは嫌々ですよ。でも後で「やっておいてよかった」ってときが来る。その恩恵を預かるとっくの前に根負けしてしまいがちなところが難しいんですが…。そのためにはちゃんと子供が自身の意欲でやりたいこともきちんとやらせたうえで、「後のためになるからこれも頑張んな!」って習わせるやりかたが正しいんだろうね。もちろん自分が教えられることなのであればなんでも教えてあげたいんんですけれど。

遊佐未森「水夢(すいむ) 」 作詩・作曲:外間隆史
水に踊るサカナ/陽差しを浴びながら/揺れる波のドレス/花びらを添えよう/遠くで君を/眺めていたら/眠たくなって/ボクは泳いでる/君と泳いでる/夢の中…/いつか君と出かけよう/生まれた場所へ戻ろう/水に遊ぶサカナ/行くあてのない朝/水辺の恋人に/告げる言葉もなく/光の粒を/追いかけてたら/知らないうちに/ボクは泳いでる/君と泳いでる/ボクは泳いでる/君と泳いでる
EPICファンだったこともあり、ユサ坊もデビューから追いかけています。長野まゆみみたいな歌詞の世界が面白かったのと、あとやっぱり声の魅力ですよね。あの声の魅力、今でも変わらないなぁ。特に初期は外間隆史ワールドのオンパレードで、アレンジも中原信雄 さんだったりギターも古賀森男さんが弾いていたりと、福岡知彦人脈の賜物的な音世界でありました。まさか「地図をください」というヒット曲を産むような存在になるとは思いもよらなかったのが本音だけれど、売れても世界観が変わらず一貫しているのがさすがです。1st『瞳水晶』はまだ自身のソングライティングはほとんどなかったわけだけれど、でもあんまりその後の世界観とも離れていない。みんなが求めるユサ坊のイメージと彼女自身がそう離れていなかったという幸福な例ですね。こういうのはなかなかない。とはいえ、『モザイク』辺りから僕は離れてしまったんだけれど。『瞳水晶』『空耳の丘』『ハルモニオデオン』は素晴らしい!
「水夢」は外間さんじゃないと書けないでしょうね、この歌詞もメロディも。サビの“Ah ボクは泳いでる”のメロディは一度聴くと忘れられないです。水槽なのか、川なのかわからないけれども、魚が泳ぐ様を見ていたら眠ってしまい、自身も魚となって恋人と泳いでいる夢をみるという…。それ自体は他愛ない歌詞かもしれないけれど、ドリーミーでニューウェーヴィなアレンジ、そしてユサ坊のコーラス・アンサンブルが本当に独自の世界観を構築しているんだよね! ある意味、彼女の最高傑作とも言えるかしれない1曲です。