
ラジオ・ファンのかたならご存知でしょうが、昨日の北京五輪女子マラソンは全国の民放で同時放送されていました。AM、FM問わず基本的には何処の局にチューニングしても同じ中継がかかっているという。多チャンネル時代にこういうアプローチはどうかと正直思う。今年頭の桑田圭祐の石垣島ライヴとか、来週のサザンオールスターズのライヴでも同様のアプローチが行なわれるんですが、放送地域につき1局、2局は賛同しなくても別にいいのじゃないかと。ただでさえ日本のラジオ局は個性がないというか、何処にチューニングしても同じような音楽とお喋りっていうイメージがあるわけで、何にしてもみんなで波長合わせてっていうのは違うと思うんだけれどなぁ、とまず苦言。
とは言いつつも、僕も中継に耳を澄ましていました。増田明美さんの解説は非常にツボを押さえていてわかりやすかった。トメスク選手が競技場に入ってくる辺りでは涙が出てきたね。トメスク選手は一児の母で38歳、2位のヌデレバ選手だって36歳…長距離走っていうのは40代間近であっても金メダルを狙えるようなスポーツだってことを明かしてくれたこと、高齢化社会に突入している日本にとっては衝撃的すらと思えるような見解だと思う。どうしたってスポーツ選手って現役時代が短いイメージがつきもののわけで、高橋尚子選手なんかさ、結局はそこんところで不遇の状況に置かれてしまったところもあるじゃない? 僕らの固定観念なんてそれほどあてにできるものじゃないんだっていうね。
陸連叩かれまくりだけれど仕方ないでしょう? 野口みずき選手もそうだし、土佐礼子選手もそうだしサポート不足なところは否めないだろうし、故障のリスクも含んでの見切り発車に関してはどうしたって判断が甘すぎる。野口神話に酔いしれすぎていたところがあるし、どうしてああも野口贔屓でまとまっているのか、Qちゃんファンの視点っていうのもあるけれど、以前より妙に懐疑心ばかりが働いてしまうんだよね。結局「サポート」っていう視点において肝心なことが欠けているんじゃないかと。
今回の件に関してはきちんと責任をとるべき人物がいるだろうし、そうしてきっちりと筋を立てていかないと、いつまで経ってもお役所体質の財団法人っていうイメージは抜けないね。とにかく補欠枠に関しての説明ひとつにとってもちっともクリアじゃないんだよ。トメスク選手、ヌデレバ選手と経験豊富なランナーが入賞したのとは裏腹に、日本で完走できたのは五輪初挑戦の中村友梨香選手だけという事実…。ここにはヘヴィな問題が横たわっていると思う。改善しないと犠牲者がますます出るし、そして彼ら(彼女たち)の選手生命がどんどん削られていってしまうというね。この機会にちゃんと猛省しないとまずいと思う。

山下久美子さんも僕のアイドルでした。「赤道小町ドキッ」の後に出たシングルが「マラソン恋女[MARATHON WOMAN]」。セクシーなジャケットはその後の久美ちゃん路線を先取りしていますね。この後が「こっちをお向きよソフィア」だったのでちょっと陰の薄い曲ではあるんですが、歌謡曲的なユーモアセンスとニューウェーヴィなロック色が混ざっていたこの時代ならではの音楽でしたね。