
Amazon.co.jp あたし・主婦の頭の中
ウェブ文化に触れたのは大学時代…もうかれこれ15年前くらいになるはずです。インターネットっていうのは当時まだ未知なものでね、その頃はまだヤフーに登録されている音楽サイトの数も3ケタだった記憶があります。きっかけは大滝詠一さんのナイアガラだったり、ムーンライダーズだったり、佐野元春さんだったり、paris blueの日比野信午さんだったり、ミュージシャンの最新情報なりファン同士とのやりとりだったり、またミュージシャンと直接コミュニケーションがとれるチャンスがあったり…夢のような文化だと思いましたね。実際、その頃大滝詠一さんにレスをいただくという貴重な経験ができたし、日比野さんと接する機会も生まれたし、ムーンライダーズ関係のテキストを書いたりしたのはその後の自分の仕事にも大きな影響を与えたし。まだその頃はダイヤルアップ接続だったし、音楽聴くだけでも大変な時代だったしね、今のウェブ環境って夢みたいな状況だったりしますが、同時に真に自由なメディアで居続けられるのは何処までだろう?なんてことも思うようになりました。先が見えて来たんだよね。それも技術的な部分ではなくてモラル的な部分や権利問題などでさ。
15年前の当初から貫いているポリシーなんですが、基本的に記名原稿というのはウェブだろうが紙媒体だろうが僕は曲げていません。ペンネームとかハンドルっていうのはやらない。自分の発言には責任持つべきだっていう古い考え方なんです。その割にあとでお詫びする機会も多いわけですが…だとしても、言いたいことを言い続ける場を守るためにもある程度自分をさらす必要はあるっていう考え方ですね。ところがこれだけウェブと生活が密接した世の中となってくると、虚言癖のひともいれば悪戯感覚で殺人予告書く奴もいる、ましてはそれを実行する理解不能な者までいる…ウェブ当初では思いもよらなかった事件が次々に起こります。もう小説、漫画の架空世界と現実との差異がなくなっているかのような印象です。これってウェブのなかの仮想的存在である自分に傾倒していくがゆえでしょうけれど、もはやウェブの世界はバーチャルなものではない。セカンドライフだって真にバーチャルなものとは言えないですよね。僕らは現実でしか生きられないし、選択肢はそれ以外にないわけです。
僕がブログを始めたのは単純に自分のやっていることを宣伝したかったり、また今再開しようとしている音楽家の端くれとしての部分も発信したかったからです。なかなか徹底できなかったり力不足でうまく行きませんが、ライフワークですよね、もはや。日記とかって三日坊主が常な故、ブログも何度とくじけそうになってはいますがなんとか頑張っています(mixiも挫折した・笑)。でもこれも現実。別にブログが停滞したから自分の人生が停滞するってわけではないだろうけれど、常に何かを発信し続けられるようなスタンスでありたいのはやはり理想ですよね。やっぱりいろんなひととのつながりができていくことが原動力になっていると思います。

KONTA「怒ってみろ」
作詩:KONTA 作曲:KONTA
好きじゃないのは わかるけど/でも むかつくぜ その仕打ち/スポンサーから ひとことかい/それとも ただのいやがらせ/電話 持つ手が ふるえだす/いけしゃあしゃあと ねこなで声/俺からけんか 売らせるかい/尻尾をまいて あやまるかい/怒ってみろ 殴りやすくなる/怒ってみろ 勝ち残るぜ 俺/好きになれとは せがまない/だけど 契った仲ならば/嫌いな気持ち おいといて/いたわるふりでも してみろよ/なんとかしてくれないか/俺でも 傷つくんだぜ/なんとかしてくれないか/涙も あるんだぜ/怒ってみろ 殴りやすくなる/ざまあみろ 生き残るぜ 俺
KONTAのソロ・デビュー・アルバム『F ACT』。BARBEE BOYS解散直後のKONTAは非常に冴えていた! 『F ACT』、もの凄い名盤だと思うもの。「これぞKONTA!」っていうパブリックイメージに応えたアイロニカルな歌詞、それに呼応するかのような循環コード無視の奇抜な楽曲…でもポップ! KONTAのソロ作って基本的にどれも良いですよ。角松敏生プロデュースの『ジェーンドゥ』だけちょっと異質だったけれど、これも大人っぽくて良かったしなぁ。「怒ってみろ」のこの心意気、良いよね。なんでもこの調子ではサバイバルできないけれど、こういう気持ちは持っていたいです。
浅い考えや衝動で赤の他人を殺めたりするんじゃなくて、「駄目なおまえ自身を語れ」と思う。病んでいない奴なんて逆にいないんじゃないかっていう時代だから、別におまえだけが駄目なわけじゃないし未来がないわけじゃないんだよ。社会も駄目だし大人も駄目だし親も友達も駄目かもしれないけれど、それでもおまえは死にものぐるいで正気で生きて行かなきゃいけないんだよ。死にものぐるいでやって駄目ならおまえだけで死ね、と。こんなところを逃避場所にするな、と。ま、偉そうなことを書いたところで、結局は「僕はまだまだここでやりたいことがあるんだから、足を引っ張るな!」っていうのが本音です。
でも面と向かって言えないことをコソコソ匿名で書くって言うのはなぁ、それ自体が負けているわけだからさ。人生、やっぱり噛み付いてナンボだと思うよ。
なんてね。