昨晩(6/21)は新宿ロフトに毛皮のマリーズとコレクターズを観てきました。
毛皮のマリーズはやっと観られた。なかなかタイミングが合わなかったんだよなぁ。

『マイ・ネーム・イズ・ロマンス』

『Faust C.D.』
というアルバムが立て続けに出た毛皮のマリーズ、かなりノリにノッています。音楽的にはとにかくブギーなバンド。ストーンズとかニューヨークドールズとかデヴィッド・ボウイとかいろんなものを彷彿させるんだけれど、とにかく怪しくてミステリアスなロックンロール。演奏はタイトで踊れるんだけれど、志磨遼平(vo)の自ら「挙動不審」というステージングが何処に向かっていくかわからない感じ。エンターティナーだけれどなんか何処かに連れ去られそうな魅力がある(笑)。このミステリアスなカリスマ性、なかなか最近はないからね。『マイ・ネーム・イズ・ロマンス』『Faust C.D.』は両方とも実にヴォリューミーな内容ですが、まとまりをとるなら『マイ・ネーム・イズ・ロマンス』、まとまりきれない雑多感をとるならば『Faust C.D.』。整合性と破綻とを併せ持ったロックンロール・バンドです。ギターが上手い! リズムギターの美味しさとリードギターの魅せ場を見事に1本のギターで表現している。スライド・プレイもなかなかでありました。

そして我らがザ・コレクターズ!

『東京虫BUGS』以後のライヴは観られていなかったのでラッキーでした。「たよれる男」などアルバム中心のセットリストでしたが、ちゃんと「ジュリエッタ」「僕は恐竜」「TOUGH」など従来のレパートリーも混ぜておりました。そうか、ワンマンじゃないと「僕はコレクター」はやらないのか。コレクターズはずっと好きなんですが、やっぱり加藤ひさしさんの歌詞だよねぇ。あの翻訳小説のような語彙や描写には憧れ続けています。ファンタジックだけれどちゃんと現在ならではの空気感を織り交ぜていて、「東京虫BUGS」には六本木ヒルズをテーマにしていたりします。ロックな視点だなぁ。こういう切り口で書ける人は彼のほかにいない。そういやエリオットマイナーの取材で銀座線に乗ったら、偶然ひさしさんと同じ電車に乗り合わせたことがありました。めちゃくちゃ話しかけたかったけれど、これまで山ほどレコード評やらライヴ評やら書いておきながら、実は一度も対面のインタビューなどはしたことがない。ゆえに接点がない。これも僕のひとつの課題ですね。コレクターズの取材。

ひさしさん、ちょびっとファルセットがキツそうだったけれど、声のほうを大切にしていただいて、キーを落とさずにガンガン歌い続けてほしい。まだまだこれからですから。「世界を止めて」を超える大ヒット曲をチャートに送り込んでくれなきゃ、追いかけて来た僕の気も収まらないってもんです。