ブログネタ:タイムマシンがあったら過去と未来、どっちへ行く? 参加中

日本のロック史上に残る女性ヴォーカルによる日本語ロックの名曲といえば、カルメン・マキ&OZとかいろいろあるだろうけれど、サディスティックミカバンド「タイムマシンにおねがい」も代表曲のひとつでしょう。数えきれないほどのひとにカヴァーされてきているし、日本のロック・スタンダードと言ってもいい。

サディスティックミカバンド「タイムマシンにおねがい」 作詩:松山猛 作曲:加藤和彦
さあ 不思議な夢と 遠い昔が好きなら/さあ そのスイッチを遠い昔に廻わせば/ジュラ期の世界が拡がり/はるかな化石の時代よ/アンモナイトはお昼ね/ティラノザウルスお散歩 アハハン/さあ 無邪気な夢の はずむすてきな時代へ/ああ タップダンスと恋とシネマの 明け暮れ/きらめく黄金時代は ミンクをまとった娘が/ボキーのソフトにいかれて/デュセンバーグを夢見る アハハン/好きな時代に行けるわ/時間のラセンをひと飛び/タイムマシンにおねがい/さあ 何かが変わる そんな時代が好きなら/さあ そのスイッチを少し昔に廻わせば/鹿鳴館では夜ごとの ワルツのテムポに今宵も/ポンパドールが花咲き/シルクハットがゆれるわ アハハン/好きな時代に行けるわ/時間のラセンをひと飛び/タイムマシンにおねがい/タイムマシンにおねがい/タイムマシンにおねがい/タイムマシンにおねがい

かの名盤2nd『黒船』に収録されているのですが、この『黒船』の良さがわかるには時間がかかったなぁ(^^;)。フォークルがあって、加藤和彦のソロがあって、それこそ『スーパーガス』とか聴いた流れでミカバンドを聴けばスムーズに行けるのだけれど、「タイムマシンにおねがい」タイプの曲がいろいろ聴きたいって方向性で聴くとがっかりする。だってミカの純粋たるリード・ヴォーカル曲ってこの1曲しかないからね(^^;)。ほとんどは加藤和彦のヴォーカル曲。もちろんそれが正しいのであって、今となっては加藤和彦マニア/高中正義マニアと化している僕には『黒船』たまらない名盤だけれど、聴きはじめはなかなかとっつきづらくてぶっちゃけ「タイムマシンにおねがい」しか聴いていない時代が長かった(^^;)。まさかミカバンドに取材できるチャンスがめぐってくるとは思わなかったけれど、カエラちゃんヴァージョンの「タイムマシンにおねがい」も良いよね。どっちもスキスキスー(死語)。「タイムマシンにおねがい」は日本のブギー。このビート感がたまらないです。あのわけわからん高中正義のギター・ソロも素晴らしい! 

でもってこの曲の歌詞ですが、『黒船』のレトロ感というテーマに相まってって部分もあるんだろうけれど、「過去の」好きな時代にしか行っていないんだよね。でもこれで良い気がする。未来に行くのは怖いし(何年先まで僕らは存在しているんだろう?っていうくらい末期的ヘヴィなわけじゃない?)、未来はやっぱり「結果」ではなくて「プロセス」で変えて行くのが重要だと思う。そうじゃないと救いがないし、生きている意味もないじゃないですか。タイムマシンっていう概念はいまや宇宙論のなかでの謎解きくらいでしか現実味はないけれど、やはり行くなら過去じゃないですか? 誰もが過去にある人生の分岐点。そこで選んだ道っていうのはどんなに迷えども、やっぱり選んだ道しかないという風に僕は思うし、それが失策でも何でも選んだ意味はあると思うんだ。選ぶときは不安だろうし、なかなか踏み切れない自分もいただろうし、そういう自分に背中を押すことができたらなとは思う。それだけでだいぶ楽だったんじゃないか、って思えることが振り返ると多々あるわけだしね。運命は信じないけれど、これまでの歩みっていうのはどんなに失敗でもやり直せるものではない。やり直すとしたらむしろこれからなんだよね。だからこれから、未来のために過去に行ってエールを送るっていうのならばありかな。青春時代の眩さにあふれた自分をそっと観るだけでも、これからの僕には大きな原動力になるんじゃないか。

ところでタイムマシンではなくても、未来に行くことはできるんじゃないかな? 仮死状態か冷凍状態にしてもらってね。手塚治虫や藤子不二雄の漫画で、難病に化したひとを冷凍カプセルに入れて未来の治癒に託すっていう場面があった気がします。そこで肉体の衰えがある程度止められるならば、意味合いとしてはタイムマシンに近くない? 眠るっていうのは一種のタイムマシンなんですよ。嫌なことなんて誰にだってある。リストラされることだって、何かの拍子に作業着が埋もれて紛失することも、借金で首が回らなくなったり、恋人ができなかったりさ、そんなことは実はこの世には数えきれない失望として存在する。煩悩っていうのはみんな持っている。冷静になれずに暴走したくなるときもあるだろうさ。でもそういうときはあえてひと眠りしてみなって。できれば木陰とか外の心地良いところでさ。ひと眠りしたときに多少なりとも気が収まっていたら儲け物だし、収まらなかったとしてもそうやって時間を置いて自分を制するっていうのはやはり人間らしさだと思うんだよね。

ピカデリーサーカスの「愛はタイムマシーン」も死ぬほどの名曲だったなぁ。音楽を聴くことで多少でも自分の気持ちを抑えられるようなことがあるってこと(もちろんそれですべてが片付くわけないけれど、ひとつのきっかけとして)、僕は伝えたいひとがこの世に山ほどいるんですよ。たと「タイムマシンにおねがい」できなくてもね。