ブログネタ:春からの値上げラッシュ、生活直撃している? 参加中ここ数十年、日本の物価って安定していたから、いわゆるインフレっていうものがちっともピンと来ないし、その対策っていうのも不充分。しかも微弱でも給与水準もアップしてきた現実もあったわけだけれど、遂にそれも頭打ちとなってしまっています。自営業やフリーで仕事をしているひとにはそのヘヴィさっていうのとうに実感として捕らえていただろうけれど、そんなひとたちの会話では「会社勤めのひとはいいなぁ」などという台詞もたまには耳にしたもの。しかしそれも過去のものになります。遂に一般庶民と認識しているようなみんなが経済的な不安にさらされるご時世になってしまいました。「不景気」っていうのを越えて、「恐慌」なんて言葉がこれからささやかれるようになるのかも。
食糧や石油製品など生活必需品が高騰、それでいて重税がのしかかりつつも身入りは増えないわけですから、緊縮財政で生きて行く術を僕らはおぼえなければいけない。税金の控除も順々に取りやめの方向に向かっているし、煙草1,000円議論だなんて話も先週は出ていたと思うけれど、たとえ煙草1,000円で税収を増やしたとしても消費税は増やすと思うんだよね。さらに自民党は退職金からも税金をぶんどろうとしているし、高齢化社会/少子化社会というかつてない社会の到来に太刀打ちできない政治と汚職が追い打ちをかけます。原油高騰っていうのも、これまでだったら車やバイクを乗らないひとにはピンと来なかったかもしれないけれど、運搬コストで食品類、プラスティック製品の原材料に跳ね上がるものですから、さすがにそろそろ「ヤバいんじゃない!?」って思い出したはず。限られた資源に群がる人間の構図があって、これまでは「先進国」と呼ばれてきた一部の国で食い散らかしていたものが、市場飽和で勢いを失い「衰退国」となり、市場的にも経済的にもそれにとって代わる「新進国」という勢力が台頭してきて自然とみんなの食い分が減少していくどころか、新進国に優先的にものが集まるという。それ自体はシンプルで把握できる。ただそこに「投機」っていうマネー・ゲームが絡むから余計にややこしい。特にそのマネー・ゲームに産油国も金を注ぎ込んでWで儲けているものだから、生産量も増やす理由もないし青天井な原油高騰に歯止めがかからない。
真面目に歯止めをかけるとしたら、それこそ国家間で原油絡みの投機に一定の制限を化す取り決めなりなんなりを早急に議論すべきなんだけれど、これまた各国家にいろいろと思惑があるもので足踏みが揃わない。特に産油国からするとこのオイル・バブルを自制する理由はないからね。これまで同様の生産量で何倍も設けられるシステムが築きあがったんだもの(それも棚ボタ的に)。40年で原油が枯れるなんて話もあるけれど、そんなもん僕が幼少から言われていることだからね(笑)。彼らは何も危惧していないんじゃないかって気がします。ただ代替エネルギーなり省エネルギーっていうのは凄く重要なので、この機会にそれを考えるのはいい機会だとは思う。おまけに地球温暖化による予想不可能な状況っていうのがある。太平洋のある島では海水上昇により水浸しになってしまった。今後気候変動や生態系の変化でより食糧不安なり水不足っていうのもシリアスになるでしょう。そう考えて行くと、これからサヴァイヴァルしていくことっていうのはひと筋縄ではいかない。いわゆる勝ち組とか負け組って発想では駄目という。勝ち組だけが生き残れるのかっていうとそうではなくて、勝ても負けてもみんな死ぬしかないという(笑)。おまけに天災なんて何がどうなるかわからないわけだしね。ついこの間、四川やミャンマーで考えさせられたばかりのことだよね。
小麦の値上げで一時期、100円ショップからパスタがなくなってしまったり(今は店頭に出ていますけれど、あれも今後は内容量が減るか何かの対策がとられるかと思います)、ティッシュ/トイレットペーパーが値上がりしたり、これからの経済観念の変化っていうのの覚悟を迫られているような気にはなります。さらに市場からバターが消えたり…これって無関係なように思えるかもしれないけれど、乳牛の減産政策の失敗(結果的に)っていうのは今もなお考え方を変えない米の減反政策と通じる部分もあるし、それもまたこの機会に考えを改める契機だとも思う。だいたい乳牛に与える餌となる穀物自体が値上がりしているわけだからね。そして原油高騰により漁船が操業ストを起こしているでしょう? あれにより海産物も値上がりする。これまで第一次生産者っていうのは値下げ競争のいちばんの被害者になっていたわけで、商品価値の是正を狙う機会が来たというのは彼らにとって背に腹は代えられない部分ですから。当然それも消費者である僕らには向かい風となって立ちはだかる。身入りは増えないままで物価が上昇して税負担も増える…完全なるインフレの公式。挙句、金融不安で「貯蓄」ではなくて金なり物に投機するという悪循環ね。「ドルも円も未来がない」なんて見切りをつけているひとも出てきているわけですから。サブプライム問題も決して他人事じゃなくてさ、国内だって住宅ローンの返済をボーナスや退職金で当てているひといるわけでしょう? そういうひとたちが一気に倒産/失業して自己破産したら同じことが日本でも起き得る。早ければ数週のうちに6月税調で議題となりえる退職金大増税なんてさ、その不安をあおりたてるマイナス材料にもなりえるわけだし。書いている僕自身、憂鬱になってくるぐらい救いがないんだよなぁ。

大江千里の『OLYMPIC』は中学時代にリリースされた忘れられないアルバム。大江千里はポップ・スタンダードな感性とともに社会風刺的な姿勢も顕著で、個人的にも大きな非常に影響を受けました。中でも「夏渡し」のヒリヒリとした感触はたかだか13,4歳の自分には大人過ぎたけれど、衝撃として胸に刻まれましたね。この曲はもともと『OLYMPIC』の先行シングル「YOU」のB面曲としてお目見えしたんですが、千里さんの当時のコメントによれば「アルバムの1曲として聴いてほしい」ということでした。彼にとっても想いの深い曲なんじゃないかって気がします。
大江千里「夏渡し」 大江千里・作詞・作曲
政治の真似事のようなビラをまいた水曜の朝/本気でまわりの全部 変わるなんて考えてない/彼はかつて同志と呼ばれ/逆らうことにあきたりないと言った/渋谷の改札で声を上げる人の群れたちよ/あれから新聞も活字が増えたと目を細めてる/この国に夏が来る/変わらずの夏が来る/登記も書きかえたという母の声が耳はなれない/彼女のスカートの丈も会話も責めるのも短くなる/今日は少し遅く起きて/すいたバスのうしろにゆられてみた/入江の桟橋の低い土地ももう買えなくなる/これから新聞は一人の死亡記事もひかえるさ/この国は何処へ行く/変わらずに進んで行く/そろそろ梅雨も軒をくぐって/ぼくも仕事を又始めるよ だから/何処かの人ごみで偶然変わったきみにあいたいな/そのころ今より昔に近いぼくでいられたら/この国に夏が来る/変わらずの夏が来る/この国は何処へ行く/変わらずに進んで行く/この国に夏が来る
『OLYMPIC』の後、『1234』ってアルバムの「帰郷」で“インフレ”って言葉が出てきてびっくりしたものだけれど、この歌の世界が現実として自分に追い(負い)被ってきたんだなぁというのを真摯に感じるわけです。僕は昭和の風景として(実際『OLYMPIC』はそれがテーマだったから)受け取っていたわけだけれど、気づいたらこの歌がアイロニーなポリティカル・ソングに変貌しているのに気づきました。特に“この国は何処へ行く/変わらずに進んで行く/この国に夏が来る”の部分ね。この歌が書かれたときは「普遍」な情景に個人的な変化とを対比させた歌の内容だったはずなんだけれど、今は“変わらずに進んで行く”ってアイロニカルな表現に受け取れてしまう。歌って生き物というか、歌い継がれていくうちに変わってしまって驚かされるときが多々あるんだけれど、まさに「夏渡し」はその典型です。だからこの歌は色あせることがない。歌とともに僕自身が変わっていっているという部分もあるんだろうけれど、それでもいまだリアルなものとして僕の胸には響いているんです。
今は海外留学中につき音楽活動休止中の千里さん。帰国したらまた「コスモポリタン」「AVEC」「夏渡し」「帰郷」「ハワイへ行きたい」「文化祭」のような辛辣なメッセージ・ソングを書いてほしいなぁ、と真摯に切望しています。