ブログネタ:寂しいと思う瞬間は? 参加中


スターダスト・レビュー「今夜だけきっと」
手島昭・根本要・作詞  根本要・作曲


今夜だけきっと 悲しいの/明日になれば 忘れられるのに/ため息ひとつ 手のひらに/そっとこぼれて 風に消えた/低く晴れた空 ちぎれた雲ふたつ/「まるで明日からの 二人ね」 と つぶやく/海に向けた目は ふいに軽いめまい/あいそわらいの君 この胸つき落とす/ねぇそっと ほんのジョークと/耳もとで ささやいてよ/今夜だけきっと 悲しいの/明日になれば 忘れられるのに/ため息ひとつ 手のひらに/そっとこぼれて 風に消えた/いつもなら君のひとみ 話好きで/ほおづえつくよな タイプじゃないくせに/思わせぶりだね その腰つきやめて/二人のすき間は 体じゃうまらない/ふり返るほど せつなくて/すれちがうほど わかりあえなくて/今夜だけきっと 悲しいの/せめて今だけ 思うままに/今夜だけきっと 悲しいの/明日になれば 忘れられるのに/ため息ひとつ 手のひらに/そっとこぼれて 星になった

寂しさを歌った曲はそれこそ山ほどあると思うんですが、いろいろ浮かぶ中でもとりわけ印象深い1曲がスタレビの「今夜だけきっと」。スタレビをよく知らなくても聴いたことがあるひとは多いんじゃないかな? もっともこの曲のみならず、尋常じゃないくらい寂しい歌はスタレビには多いんですが(^^;)。この曲も明日になったって忘れられっこないのに「今夜だけきっと」と歌う強がりと裏腹の寂しさが凄い。「二人のすき間は 体じゃうまらない」なんて描写は最初聴いたときはドキッとしたものですが、まぁ、人生も折り返し地点を過ぎるくらいになるとこういう経験なり想いなりっていうのはあるもんです。だから実際はもの凄く生々しい歌なんですよね。でも全体的には凄く美しくまとめられていて、ライヴでは最後の「そっとこぼれて 星になった」で必ず流れ星が演出で流れるんです。あれは何度観てもグッとくる瞬間なんだよなぁ。スタレビのライヴを観たことがないひと、一度は行ってみなって。こういう感動的なツボがいたるところで出てきて圧巻だから。でもせつないだけじゃなくて、そんじゃそこらの芸人じゃ太刀打ちできない根本要さんのギャグ・センスでたっぷり笑わせてもくれます。国内バンドでは指折り数えられるライヴ・バンドの最高峰とも言えるのがスタレビです。

ちなみに「今夜だけきっと」のB面である「Baby It's You」も超超超超超名曲! この曲も美しいんだ。僕のなかでこの2曲は対になっている感覚があります。これらの曲が収められている『VOICE』は『THANK YOU』なんかと比べるとちょっと落ち着いたイメージのあるアルバムですね。でもこのアルバムもスタレビの代表作の1枚と言えるだろうなぁ。スタレビ名義のアレンジは『VOICE』でとりあえず終わって、三谷泰弘さんのサウンド・プロデュース路線が始まることにもなります。その意味でも『VOICE』は第一期スタレビの集大成と言えるかもしれませんね。

僕が寂しいと思うのはこういうラヴソングのシチュエーション…とか書きたいところなんですが、ラヴソングのせつなさに胸を締め付けられつつも、実体験としては非常に薄いものだったり(苦笑)。学生時代はあったかもしれないけれど今はわりと実直的というか、時間の流れが速いというか。「ま、明日逢えるだろうからいいか」ってなもんです。昔はその明日に確証を持てなかったし待てなかった。こういう気持ちの持ち方の差っていうのはどこから生まれているんだろう? この辺は人間としてのタイプの違いなんでしょうが、僕は徹底的に人間的感情が乏しすぎるんですよね。だから冷血人間とかIcemanとか言われるんでしょうけれど。ひとりでも全然大丈夫。ひとりでもあっという間に時間は経ってしまうし、あとは何処でもいくらでも眠れる身体っていうのも要因なのかも。

そんな僕が寂しいなぁと思う瞬間が何かって言うと、それはズバリ食事のときです。ひとりで食事っていうのはあんまり好きじゃないんだなぁ。ひとりで食事するときはもうラーメン屋とか立ち食いそば屋とか牛丼屋とかさ、ファーストフードは好きじゃないからあまり食べないけれどインスタント/レトルト系とかね? もうさっさと済ましちゃうってな感じです。でも誰かと食事するときはなるべく美味しいものを食べたいと思うし、時間のことは忘れたいと思う。食事だけは誰かがいるのといないのとでは大きな違いなんですよね。僕を痩せさせたいと思うなら、徹底的に放っておくのが手だと思います(^^;)。

人間の欲っていうのはいろいろあると思うけれど、寂しいから誰かを連れてっていう感覚はそれ以外だと意外と考えつかないのです。重複しますけれど、わりとひとりで平気ですので。むしろひとりじゃないと面倒くさいなぁ、という(笑)。ひとりでラジオを聴きながら車を運転しているのなんて至福の時間だし。仕事でも個人プレイが多いっていうのは、メリットもデメリットもあるんでしょうけれどね。樹海で一週間くらい過ごしたりとか、一度孤独の極限っていうのを僕は味わった方がいいのかもしれない。そうしたらもっとみんなに優しくなれるのかも。