やはり労働時間が長いとしんどくなる。
若い頃、毎日10時間ぐらいは普通に働かされていた。
ブラックなので残業代はまともに出ないし、休憩もきちんと取れなかった。
当時はよく、実家や祖父母の家から、野菜や日持ちのしないお菓子等が送られてきたのだが(こういう事を書くのは憚られるが)当時の私にはこれが「ありがた迷惑」になってしまっていた。
まず、シフト制な上に突発的な残業が多かったので、受け取りに苦労した。
そして、それらを料理するのはもっと大変で、料理や洗い物をするより寝る時間が欲しいというのが本音だった。
正直に言ってみたこともあったけれど、毒家族だけあって伝わらなかったというか、自分達がこんなに良い事をしてやっているのになぜ感謝しないのかと責められた。
とりあえず冷蔵庫に入れておいて、次の休日にようやく料理しようと取り出すと、例えばナスはヘタが溶け、キャベツなど葉物は茶色くなっている。
発送されてから一週間とかはザラに経っているので、ある意味当然の結果であるが。
しかし「勿体ないからしばらく何も送らないで欲しい」と一生懸命に言葉を選びながら伝えようとしても「ホイコーローにすれば食べられる(味が濃ければ傷んでいてもわからないということらしい)」などと一蹴されてしまう。
果ては「その荷物を送るのがどれだけ大変だったか」を力説され、そもそもこちらが頼んだわけでもないのに、いつも罪悪感を与えられるのであった。
こうした「先方が送りたいものを一方的に送り付けられる」生活はしばらく続いたが、ある時遂に受け取りの機会を逸して、荷物が戻ってしまった。
それがどうやら祖母の逆鱗に触れたようで、後日ポストに「人格障害」に関する本が2冊入っていた。
さすがにゾッとした。
それらの本を私は一応読みはしたが、内容はよく覚えていない。
今思うと、新品ではなかったので、もしかしたら彼女自身が以前に誰かに貰った物だった可能性もある。
あれから10年以上は経った。
その後もいろんな仕事を経験してきて、自分の仕事運の無さを何度も呪った。
業務量が適正な職場を探すのは本当に難しいと実感している(最近は特に、人が減らされたり自動化が進んだせいか、どこも仕事量が多すぎる)。
何時間が理想なのか、というのは難しい問題だが、明らかに終わらない仕事量を振られたり、それなのに残業を禁止されたりするのは論外だ。
勿論、人間関係とか他にもポイントはあるけれど、労働時間に対して業務量と報酬が妥当であれば、それだけでもだいぶ理想に近付くかもしれない。