湯浅邦弘の【孫子・三十六計】を読んだので感想を書いていきます。

 

本書は、孫子と三十六計が編成されていますが、今回読んだのは孫子だけです。三十六計はまた余裕があるときに読みたいと思います。

 

 

孫子って誰?という方も多いかと思います。よく知らない人も、名前はどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。

 

孫子は今から2500年前の春秋時代の中国で活躍した思想家です。漫画キングダムの少し前の時代です。

 

その孫子が著した【孫子】は、戦争の本質・人間の本質が詰まっている書物です。これがまぁすごいすごい。

 

人間とは何か、国家とは何か、勝利とは何か、組織とは何か、リーダーとは何か、、、【孫子】では多くのヒントを与えてくれます。

 

今回は【孫子】を読んで、僕個人的に心に残った点、参考になった点を挙げていきたいと思います。

 

 

 

 

  孫子は合理主義者だった

中国の兵法書といっても、天運とか神頼みとかじゃないの?と思う方もいるかもしれません。神様を信仰しろとか・・・。僕も初めはそう思っていました。しかし、【孫子】ではそのようなことはありません。利害関係や人間の心情などがはっきり書かれていて、神や天の要素は出てきません。これは意外でした。孫子は徹底的な合理主義者だったのです。

 

 

 

  日本の精神論とは・・・

日本の精神論のことも書かれていました。【孫子の兵法】は日本でも大きな影響を与えました。戦国最強と呼ばれた、武田軍の軍旗に風林火山が書かれていたことからも分かりますね。

日本には、武士道という思想があります。正義や忠誠が美しい姿として尊重されるようになったのが日本です。

『孫子』流の軌道やだましうちは、日本には受け入れられなかったのです。

この精神の在り方は本当に日本の素晴らしい文化だと思います。しかし、そういった武士道の精神により、食糧や兵站の不足を精神論で乗り越えようとしたのが、第二次世界大戦でした。過度な精神主義は悲惨な結果を招きました・・・。

旧日本軍の失敗も、【孫子の兵法】に従わないケースが多数あります。なのでやっぱりすごいですよね、【孫子】。

 

 

 

  現場の全権は将軍が握る

いざ合戦の時、その時の指揮権は将軍に与えよ、とあります。君主が口を挟んではいけないということです。君主が口を挟んでしまうと、指揮系統がはっきりとせず、現場が混乱してしまうためです。君主は絶対的に信用できる人間を将軍にせよとも述べています。

これは、ビジネスの世界でも同じことが言えますね。

 

 

 

  間諜へも愛情を

間諜へ深い思いやりの心を持て、と述べています。間諜とはスパイのことです。

間諜は常に危険な任務を務めます。生きて帰らないことも多いでしょう。

そのため、間諜へは深い思いやりの心を持ち、大事にしなければならないのです。間諜からすると、手厚くしてくれる将軍には『この人のために命を懸けて頑張ろう』となりますし、冷たくあしらわれると『敵国に裏切ってやる』ってなりますからね。

 

 

 

 

とまぁ、いろいろ挙げましたが、しかし凄いですね。古代中国の思想は。現代にも役立つことが盛りだくさん詰め込まれています。中国の古典作品をもっともっと読んでみたいなと思いました。

 

あー、そうそう。なんで【孫子】を読んでみたのかというと、『ぴよぴーよ速報』というYoutuberの方の影響です。最高に面白いので見てみてはいかが?↓