貴志祐介の【十三番目の人格ISOLA】を読んだので感想を書いていきます。
貴志祐介の角川ホラー小説です。著者のデビュー作です。
主要登場人物
賀茂由香里・・・人の感情を読み取ることができるエンパス。超能力者。美人。
森谷千尋・・・多重人格の持ち主。高校生。不幸ばかりが続く気の毒な人物。
野村浩子・・・千尋の高校の高校の臨床心理士。
高野弥生・・・西宮大学で臨死体験を研究している。容姿に強いコンプレックスがある。
真部・・・高野と一緒に臨死体験を研究している。
あらすじ
賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパスだった。その能力を活かして阪神大震災後、ボランティアで被災者の心のケアをしていた彼女は、西宮の病院に長期入院中の森谷千尋という少女に会う。由香里は、千尋の中に複数の人格が同居しているのを目のあたりにする。このあどけない少女が多重人格障害であることに胸を痛めつつ、しだいにうちとけて幾つかの人格と言葉を交わす由香里。だがやがて、十三番目の人格〈ISOLA〉の出現に、彼女は身も凍る思いがした。
引用:ebook japan
評価 3.2 ☆☆☆⋆⋆
感想
うーん、、、微妙でした。貴志祐介の作品を読むときは毎回期待せずにはいられませんが、これはあんまりかな~。
ストーリーの土台は、やはり凄いと思います。今回は多重人格、そして臨死体験がキーになってくるので、心理的なこと、人間の感情が見どころの作品だと思います。豊富な知識で独特な世界を造っていて、貴志祐介ワールドは全開なのですが、のめり込んで読み進めることができませんでした。なんでだろ。
本作を読んでて、おっ!と思ったことがありました。それは、バウムテストや晨光学院高校が出てくるんですよ。【悪の教典】に出てきます。千尋の通っている学校、何年後かにサイコパスが現れます(笑)。
この本もラストシーンは本命ボスとの決闘でした。角川ホラーの貴志祐介作品のラストシーンは絶対バトルになりますから!【黒い家】ではサイコ女と、【クリムゾンの迷宮】では人食いグールと、【天使の囀り】では教授とバトルしてました。今回もちゃちゃっとやっつけるんだろうなと思っていましたが、意外な展開になったので、そこはよかったかな。
終わり方もなんだか、もやもやしたような、ぞっとするような結末でスッキリしない読後感でした。千尋がね、救われないんですよ、こんな苦しい思いしてるのに、、、それがもやもやしたまま終わってしまう原因ですね。