97歳のお婆ちゃんが営む「蕎麦屋」に辿り着くためには
徳島の山に向かわなければならない
本当の山だぞ
眼下には、青く淀みながらも、激しく流れる渓流が続き
道は細く、蛇行する
だから、ブツブツ切れる蕎麦ができた時は、心底喜んだ
美味い、いいか、本物の蕎麦はツルツルしない、ぶつぶつ切れる
甘辛く、懐かしく、そうだ、日本の原風景に入ってゆく
店主は独り。97歳。
私たちのために、この人は両手に重いどんぶりを、持って出てきた
曲がった腰で
私は飛び出して、それを受け取った
美味しかったよ!また来るよ!ありがとう!
彼女は別に耳が遠いわけでもないのに
私は大声で、叫んでいた


