夜勤の秘密 | rh534のブログ

rh534のブログ

2024,1,3初の長編小説「星の光源~アン・マンズフィールド・サリヴァン異聞」土井章寛著 発売されました。

女性は四人部屋の窓際に寝ていた

自力ではもう、歩けない。

息子がいると聞いたが、彼は知的な障碍を持っている

夫は早くに死に別れた、そう、聞いた。

 

彼女は散村に生まれ、この施設に来るまでは、おそらく

たった一人で闘ってきたに違いない、だから無口だった。

 

ところが深夜、オムツの中を確認に行くと、笑顔を見せた

私も笑顔で答えた。女性の香りがした。

それから、彼女は深夜巡回に来る私を、待つようになった。

私は、丹念に、丁重に清拭をした、それが笑顔につながっていると理解したからだ。

 

ある夜、オムツの中で彼女の花は開いていて、赤い芽が輝いているのを見た

彼女は横を向いていたが、脚を少し開いた。

この時のために、用意してきたゼリーを使い、ゆっくり撫で、摘み取る。

ビクン!と背中に反応があり、それから低い息が流れた。

 

長い間、女性であることを封印してきた、と思う

それ以上に、母親でなければならず、一家の稼ぎ手として

ひとつの労働力として、賃金として自らをお追い込み、没頭しただろう。

 

それが解き放たれる

女であることの体感を、自由に得られる

今取り戻せば、すべてが報われるのかい?

彼女は、もっと深い場所へ、私の指を求めた。

まなじりの美しい女性は85歳になっていた。