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次生が29歳で結婚式を京都市東山区の鴨川に構える料理旅館鮒鶴で挙げていた頃、結婚式をぶち壊そうと画策していた、4女、二男と母潔子この三人はこれだけに飽き足らずに次生を康三の法律事務所から締め出したのである。嫉妬である。
結局、次生は幼子の長女松本このみを抱えながら国民金融公庫西陣支店で借り入れし右京区龍安寺駅前商店街にて商売を始めるのである。
開店当初はベビー服子供服専門店を立上げた。後に80年代ブームを巻き起こしたアメリカンカントリー雑貨の専門店へと変化していった。
この頃である、父親康三と共に二男が何食わぬ顔をして次生の店舗前に登場するのである。
よくもしゃあしゃあと、何事もなかったかの様に次生の前にあらわれたものであるこの二男。
このテイの輩が兄弟であったという事が、次生にとっては大変不幸な事であった。
二男も4女も依頼心が強すぎる。父親に小判鮫のように引っ付いて生きている。
二人は自分自身で人生を切り開く事ができないのだ。ある意味、母潔子もそうであった。
つまり、臆病なのである。
フロンティア精神が皆無なのである。
この依頼心旺盛な二人から見るとやはり次生は疎まれ、ジェラシーの対象となるのだ。
康三も潔子も結局7人の子宝に恵まれるのであるが、産むだけではねぇ?といつも次生は思っていた。
大志がないのである。
志が無いのである。
人間生まれたら考えないか?
何故に自分は生まれてきたのか?
何をしようと生まれてきたのか?
自分の使命は何か?
どのように生き、何を伝えようとしているのか?
経験、体験等を踏まえ生き様を見せていく!という志がなけれは、犬猫とかわらないではないか?
臆病でビビンチョで人真似ばかりで、主体性がなくては、子供が苦労し悲しむ事が彼らこのパターンの人間には死ぬまでわからない。
よって次生は、彼らとは縁を切った。
縁を切ったのにちょっかいはしてくる、しかし最大のスルーを次生はカマスのである。
相手にしないのが彼らの為でもある。
潔子は、せっかく次生がしようとした松本一族の再建をぶち壊す振る舞いをしていった。
実践が無かったのである。
本当の人生を歩んで来なかったのだ。
またまた、二男、4女と康三に誑かされ表情も険しくなり始めた頃。
その日は雪が降り積もっていた。
年越しそばを食べ、ゆく年くる年を家族で見ながら深夜放送の映画を見ながら、寝正月になるな?と思って眠っていた次生。
りーん、りーん!
新年早々朝早くから、電話?
誰や〜?
はい、もしもし?
あ〜お父さんやけど?
生まれて二回目の父康三からの電話である。
なに?どないしたん?
電話しなくても、庭を歩いてきたらいいのに?
いつもそうするやん?と思った。
あんな、次生!お母さん、死んだ!
えっ?死んだ?
何?言うてるん?
昨日庭で歩いてたで?
死んだんやて!お母さんお餅詰まって!