五条の先祖代々の南側土地に次生は2階建ての小さな家を建築した。
康三はその隣に建築した。
そして、後述するが北に面した土地に次生は2階建て1階2店舗の店舗付住宅を後から建築するのである。
4女を不憫に思っているであろう両親つまり、康三と潔子のためにまた、龍安寺のお店を移転するためでもあった。
康三はこんな筈ではなかったと思っていた、二男も4女も。
次生は明らかに火中の栗を自らわかっていながら拾いに行ったのである。
潔子は康三が建築した新たな家には住みたくない!と言っていたのである。
誰も具体的な行動をしないのである。潔子の入院代や、病後の生活費など一切康三は出さなかった。当然、二男も4女も康三の小判鮫に支払える訳が無い。
次生は淡々と前に前に心の赴くままにとにかく我慢強く一歩一歩進んで行った。
ふと気が付くと朝ごはん、昼ごはん、夕食を潔子と康三は時間差で次生のリビングで食すようになっていた。
やはり、次生のイメージした通りになってきていた。
仲が悪かった潔子と康三も、次生の自宅リビングで仲良くテレビを見るくらいまで改善していくのである。