いつの時代でも、どこぞの国でも歴史は繰り返されます。
初代米吉が肉屋を両次郎に譲った後は、祇園町にある不動産を見回るのが日課となっていた。
不動産を貸して住んでいる人達が何か困った事がないかを心配していたのである。
おはようさん!
あっ!おはようございますぅ。
なんか、困った事おへんか?
はい、あのートイレがぁ
トイレがどないしたんぇ?
トイレの床がこわれてるようで〜怖いんどす。
そうかいな、はよ〜言うてくれたらえぇのに〜。わかりましたっ。今日な、柴田をそっちに行かすからな。待っててや。
ほな、サイナラ〜
米吉は柴田という使用人を使い、日々自らの不動産物件の不具合を住人に尋ね歩いては即修理をしてくれるので祇園町界隈では評判は良かった。
すんません〜柴田ですけど〜
はー早いな?おー気に、こっちどすトイレ。
米吉の使用人柴田はトイレの床を見るやいなや、この床シロアリで危ないよって、明日床剥がしまっさかい、明日直りますわ。
そうかいな〜おーきに、流石やな、米吉っつあんによろしゅう言うといてや〜。
へ〜言うときますぅー。