今日は、里山保全について、ちょっと思うことを書いてみます。
私が活動する、東京都堀之内里山保全地域は、
東京に残された貴重な里山環境を保全する目的で、
東京都によって指定されたもので、
エリア内の土地では、利用が厳しく制限されます。
また、元々、私有地で構成されている場所が多いですが、
利用が制限されていることもあり、
所有者が希望すれば東京都が買い取ることになっています。
なので、堀之内の場合も、まだ東京都の所有地は半分にも満たないですが、
少しずつ増えてきてはいます。
で、ですね。
里山保全地域の場合、里山環境を維持するためには、
人による手入れが必要です。
そこが私有地の場合は、その所有者が手入れをしない限り、
誰も手入れはしませんので、荒れ放題になります。
東京都が手入れをしてくれるわけではありません。
では、東京都の所有地はどうでしょう?
ここでも、ほとんどの場合、東京都が手入れをするわけではありません。
もちろん、樹木の伐採など東京都がやっている場合もありますが、
日常的な手入れの主体になるのは、ボランティアです。
例えば、私の団体の場合、
毎年、年度の初めに、東京都に活動許可申請を出します。
そして東京都から活動を認められると、活動できます。
東京都から活動を依頼されたことは一度もなく、
こちらからお願いして、やらせてもらっている感じです。
が、その際、東京都から、何か指示や指導があるわけではありません。
なぜなら、少なくとも堀之内里山保全地域の場合、
保全地域の保全計画が無いので、
どこで、どんな活動をするかは、各団体に任されています。
もちろん、東京都は何もしないわけではなく、
あれやこれや、ボランティアへの支援は行ってくれます。
機材の貸与とか。
いつも大変お世話になってます。
が、あくまでも支援なのですよ・・・。
正直、これって東京都が主体でやるべきことなんじゃないの?
って思います。
でなければ、保全地域として指定した意味が無いです。
・・・が、東京都としても、
予算の関係で、ボランティアに頼るしか術がないのが実情で。
そして、その頼られているボランティアも、高齢化&人手不足で、
どこもかしこも、10年先は無いのではないか・・・?
と思うような状況です。
そのため、里山環境は、いずれ無くなるでしょうね。
誰が悪いわけでもなく、
仕方の無いことです。
なお、一つの手として、
里山保全地域で何かしら事業を行い、
収益を上げて、その利益で保全を行うとか、
そういった、ボランティアや税金頼みではない方法があります。
例えば、里山環境は、もともと、いろんな資源を生産し活用する場所です。
田んぼや畑では農産物を生産し、
雑木林では薪などの燃料や、工作物の資材、木炭や竹炭などを生み出してきました。
このような生産のサイクルがあったからこそ、
環境は適宜更新され、維持されてきたのです。
なので、事業として農産物を生産&販売するとか、
里山体験活動イベントなど催し収益を得るとか、
そういうアイディアはありますが、
そもそも、今の枠組みではそれも無理です。
なぜなら、東京都の条例で、
里山保全地域内の東京都の土地で生産されたものは、販売してはいけないし、
里山保全地域内での営利活動は禁止されています。
以前も、雑木林で出た伐採樹木を使って薪を販売したいと希望した団体があったのですが、
却下されてました。
自然緑地であれば、そのまま放置してても自然任せで良いのですが、
里山環境は、あくまでも人工の環境なので、
手入れが必要なのですよ。
保全地域内に、古民家を作って、
体験イベントや宿泊ができるようにして、
素泊まり1泊1万円とか、イイと思うんですが。
体験イベントとして、草刈りや薪割りとか。
都内の多摩ニュータウンのすぐ隣に、そんな施設があったら、
人気出ると思うんだけどなぁ。