里地里山文化論(上) | タケシのありのまま日記

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旧名から変更しました。

最近読んだ本の記録です。
 
里地里山文化論 上
著:養父志乃夫
 
かなり硬めの本で、難しい内容でしたが・・・あせる 
 
なかなか興味深い内容でした。
 
里山の文化は、大陸から渡ってきたのですね~。
 
中国や韓国にも、日本の里山とそっくりな風景があるそうです。
 
ただ、日本が高度経済成長によって、里山が変わっていったのと同じ姿もみられるようで、
 
日本と同じ失敗を繰り返さないようにしてほしいですね。
 
 
さて、一番印象に残った部分ですが、
 
里山が形成されてきたこれまでの歴史についてです。
 
今まで、昔の人は、自然と完全に調和してきたのだと思っていましたが、
 
実はそうでもなかった部分があったようです。
 
例えば、京都や奈良で、建築資材としての木材を切りだし過ぎて、山が荒れたりすることがあったそうです。
 
しかも、それは京都や奈良に限った事ではなく、江戸時代になると、
 
全国的にあちこちで問題となっていたようです。
 
そこで、幕府や各藩は森の保全を徹底的に行い、
 
そのお陰で豊かな森が守られたということでした。
 
なので、長い間の試行錯誤と苦労の末に得た知恵なのですね。
 
 
それから、里山で見られる植物の多くは、大陸から来た物だそうです。
 
ということは、それらは帰化植物ということです。
 
元々日本列島にあった植生を、人の手で大きく変えているということになります。
 
里山は、元々人の手が加わっているので、当たり前と言えば当たり前なのですが、
 
思った以上に人為的に作られた環境だということが分かりました。
 
人為的なものは良くない、自然が一番、
 
という考え方がよくありますし、私自身もそのような意識が多少ありましたけれど、
 
あまり人為的か自然かに拘ることは、意味が無いように思いました。
 
人為的な植生であっても、別に悪いことじゃないのだなと。
 
その意味では、里山は、よく出来た庭園みたいなものかなと思います。
 
庭園も、自然のままの植生も、どちらも素晴らしいものだと思います。