堀之内里山保全地域の雑木林のその後です。
夏に倒木を運び出して以来なので、すっかりご無沙汰。。。
結局、倒木の根元、太い丸太の部分は手に負えず、そのままでした。
で、先日、畑に行ったついでに様子を見に行きました。

こちらもすっかり冬景色。

のどかですね~。この右手の斜面に雑木林があります。
斜面を登っていくと…

重くて運び出せなかった丸太です。もう、かなり腐ってきているので、薪にするのは無理かな。

上から見下ろしたところです。手前が残っている倒木。
さすがに、これは如何ともしがたいです。

葉っぱが全て落ちたので、向こう側がよく見えます。

真っ青な空も、よく見えます。

足元を見ると、笹がかなり茂っております。
そろそろ下草刈りをしないと。
それに、何本か、枯れている木もあり、これも取り除いた方がいいですね。
ところで、雑木林の保全って、なぜ必要なんでしょうね?
雑木林は、人が利用しやすい樹木が選ばれ、人の手によって植えられ、維持管理されている人工林です。
よって、人による維持管理が出来なくなると、雑木林は消滅してしまいます。
元々、その土地に生えていた樹木に置き換わる、つまり原生林になるということです。
関東近辺ですと、一般的には照葉樹林になります。
原生林は、当然ながら、人の手の加わらない自然のままの林ですので、
自然にとっては、原生林が増えることは良いことのように思えます。
かつて、日本中にあった雑木林の多くが、里山の消滅により維持管理できなくなり、
原生林に置き換わりつつあります。
ならば、雑木林を苦労して維持する必要は無いのでは?
という気もしますよね。
確かに微妙なところなのですが、
雑木林を守る理由を挙げると、次のようになります。
・雑木林は原生林と比較して、動植物の多様性が優れている。
原生林は、比較的単一の樹木に占有されてしまうことが多く、そして森は深く、中まで日が入りにくい。
原生林は、比較的単一の樹木に占有されてしまうことが多く、そして森は深く、中まで日が入りにくい。
そのため、そこで生きることが出来る動植物の種類が限られてしまいます。
これに対して、雑木林は多様な樹木からなること、枝打ちや間伐、下草刈りなどが定期的に行われ
これに対して、雑木林は多様な樹木からなること、枝打ちや間伐、下草刈りなどが定期的に行われ
ることによって明るく開放的な空間となり、そこで生きる動植物も多種多様となる、と言われています。
里山によく見られた希少植物は、原生林で生きていけないものがたくさんあります。
蛍などの昆虫類も同様です。
里山によく見られた希少植物は、原生林で生きていけないものがたくさんあります。
蛍などの昆虫類も同様です。
・人間が自然と触れ合う場である。
雑木林は人が作り上げた自然であるがゆえに、自然と人が触れ合う空間としての役割がありました。
雑木林は人が作り上げた自然であるがゆえに、自然と人が触れ合う空間としての役割がありました。
昔の人は、絶対に手をつけない原生林と、自然から恵みを貰うための場である雑木林を明確
に分けていました。
雑木林は人里近くにありましたから、原生林と人間の居住空間の緩衝地帯でもあったのです。
これにより、原生林に住む動物も、雑木林までは来るけれども、人間の居住地域まで来ないし、
人間も原生林までは立ち入らない。
最近は、このような、より自然に近い森林公園的な空間として、雑木林は位置づけられています。
原生林だと怖いけど、雑木林だったら落ち着く・・・
最近は、このような、より自然に近い森林公園的な空間として、雑木林は位置づけられています。
原生林だと怖いけど、雑木林だったら落ち着く・・・
という感覚があるのも、このような理由からだと言えるでしょう。
人により考え方は様々ですが、
このような理由から、雑木林はある程度残したほうがよいと思います。
この場所は、もう原生林に戻しましょう、この場所は雑木林のまま維持しましょう、
という区分けをするのがよいのではないでしょうか。
実際、全ての雑木林を維持していくのは無理ですしね。
昔は、薪や炭にするという目的があったからこそ、定期的に木を切っていたわけですが、
今はほとんどその目的が無くなってしまったので、
(個人的には薪が欲しいですが)
(個人的には薪が欲しいですが)
維持管理する必要性が昔とは違います。
ところで、雑木林をほっておくと、
下草が増えてきます。多いのはさっきの写真のとおり笹ですね。
これで、木の若芽が出にくくなったり、
光を好む下草や潅木が枯れてしまいます。
そして木が大木化し、林の中が暗くなります。
こうなると、もう人が立ち入りにくくなります。
ちょっと散歩しよう~という気にならなくなりますね。
こうして閉鎖的な空間になってしまいます。
個人的には、雑木林は子供達が自由に遊べる空間であってほしいです。
カブトムシなど昆虫探しは、いまでもワクワクしますね。
