さて、武士道を薦められて、あれからいくつか本を読んでみました。
まずこれ。
「葉隠入門」
著:三島由紀夫 (新潮社)
「葉隠」って全く知らなかったのですが、先生お薦めって事で選びました。色々本が出ているのですが、本屋で見つけたのはこれだけ。三島由紀夫が「葉隠」を解説している本です。
「葉隠」は、佐賀の藩士、山本常朝が書いた武士道の心得を書いたものでした。
ざっと一度だけ読んでみましたが、うーん・・・なんだろう。(^^;
よく分かりません。(笑)
一般的に抱いている武士の心得としては、予想の範囲内で、何かこう心に響くものがあったかというと・・・微妙です。
一点だけ、「人生、好きなことをして生きるべき」というくだりが意外な気がして心に残りました。
次にこれ。
「宮本武蔵が語る五輪書」
著:長尾剛 (PHP文庫)
やっぱり、武士道と言えば宮本武蔵でしょう。
「五輪書」は有名ですよね。
この本は、五輪書を優しく現代風に噛み砕いたもので、現代によみがえった宮本武蔵自身が講演するというスタイルの本です。なので分かりやすかった。
で、思ったのは「宮本武蔵」ってほんとに強かったんだ!
ってこと。(^^;
なにせ二十数人の相手と一度に戦い、一人で勝ったそうです。
その強さの秘密について語られています。ただ、もっと精神論的な物かな~と思っていたら、意外とそうでもなかった印象です。
そして最後がこれ。
「要約版 武士道」
著:新渡戸稲造 (三笠書房)
明治の末期、外国人に武士道を紹介した本を新渡戸稲造が書き、それを現代になって要約版として編集し直したものです。
これはさすがに近代になって書かれた本らしく、武士道について整理して分析されていました。なので分かりやすかったです。
時代劇などで描かれていますが、やっぱり武士道とは物凄く崇高な精神なのだということが分かります。
そして、日本人に今でも強い影響を与えているものですね。
今でも、人としての理想像と重なる部分が多いと思います。
一つ印象に残った話があります。
礼についての次の話です。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
アメリカでは贈り物をするとき、贈る側は受け取る人に向かってその品物をほめそやす。しかし日本では、その品物の値打ちを軽く言ったり、悪く言い立てたりさえする。アメリカ人の心情はこのような場合「この品物は素晴らしいものです。これがよい品物でないとすると、あなたに差し上げようなどと思いもよりません。良い品物でないものを差し上げることはあなたを侮辱することになります。」ということになる。
これに対して日本人の論理はこうである。
「あなたは立派な人です。どんな贈り物も立派なあなたにはふさわしくありません。私があなたの足許に置く品物は私からの感謝の印としてしかお受け取りになれないでしょう。どうぞこの品物の価値ではなく、私からの心の印としてお受け取りください。最上の品物でもあなたにふさわしい、と言えばそれはあなたの品格を傷つける侮辱となるでしょう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
どちらも相手に対する思いやりであることに変わりが無く、表現が違うだけなのですね。
だんだん、日本的な発想が無くなってきていますが、少しは見直してみてもいいのでは、と思いました。
とりあえず、武士道に関しては今のところこんな感じです。(^^)