今日は鶴田の思い出を書きたいと思います。
私は種子島生まれの鹿児島市育ちなのですが、父方の祖母が鶴田にずっと一人で住んでいました。そこに毎月2,3回は行っていたのです。祖母の家、つまり「ばあちゃんげー」です。(鹿児島では、誰々さんの家を、誰々さんげーと言います)
ばあちゃんげーは、川内川のほとりにあり湯田温泉の目の前になります。ほんとに家の前に町営の温泉があります。当時からすごいオンボロなんですが、なんども行きました。硫黄のにおいがほんのりするいい温泉です。
ばあちゃんげーでは、季節ごとにいろんな行事がありました。
4月は、山に竹の子掘り。いくつかある山の一つに竹の子が生えます。小さい竹の子を探すのが楽しいんですよね。
5月は、節句のころにチマキを作ります。鹿児島のチマキは、もち米を竹の子の皮で包み、それを灰汁で煮て作ります。アクマキとも言います。きな粉につけて食べるとうまいんです。
また、このころは山に蕨も取りに行きます。竹の子と蕨が入った味噌汁が、またうまいんですよね!
6月は、庭の梅の収穫です。収穫した梅は砂糖で漬けたり焼酎で漬けたりします。砂糖だけで漬けたものは大好きで、水で割ってよく飲んでました。
7、8月は川で鮎かけです。鮎かけとは、モリみたいな竿で直接泳いでいる鮎を引っ掛ける漁です。
父と一緒に川に行っては、毎回何十匹と獲っていました。私はそのころ小学生。まだまだへたくそで、最高でも7~8匹。父はさすがにすごい腕前で、次から次へと獲ってましたね。この鮎の塩焼きがまたうまいんです。
9月は収穫の季節。畑や庭の柿、栗の収穫です。
10月、11月は何かあったっけ・・・?
そして12月。年末年始はばあちゃんげーと決まっていました。そして毎年同じ日程でした。
12/29は大掃除やもち米の用意。
12/30は餅つき。土間の釜でセイロでもち米を蒸します。蒸したもち米を機械でつきます。子供のころから機械でしたね。単純なものでしたが。一度だけ杵とウスで餅つきした事があります。
ついたもちは、保存用はビニールに入れて四角く、あんこもちはその場であんこをいれて丸めます。このあんこもちが子供たちの大人気。その日から毎日朝昼晩と食べてましたね。炭を入れた火鉢で焼くとうまいんだ、これが。
12/31はおせちの準備。夜はたいがいスキ焼き食べながら紅白見て、紅白見終わったら近くの紫尾神社に初詣、というパターン。
年が明けて1/1は、皆でおせちを食べた後、お坊さんが来て暫くお経を上げます。
1/2は午前中に近くのお寺に行って、ありがたいお説教を聴き、足がしびれます。でも、全長が10mはあろうかという、でっかい数珠みたいなものを皆で回しながらお経を読むのがあって、それは結構楽しみでした。
そして午後は、母方の実家へ移動します。母は兄弟が多いので、みんなこの日に集まるのです。従兄弟と遊んだり、たくさんお年玉をもらえるので、この日は楽しみでしたね~。
こうして年末年始の行事は一通り終了します。
あ、1/7の七草粥があった。七草だけでなく鶏肉やサトイモ、餅が入った粥です。これがうまいんです。こっちで自分で作ろうとしたけど、味が全然違いました。こんど習わなきゃ。
2月、3月は特に無かったかな。お彼岸のときにおはぎを作るぐらいでしょうか。
こうやって思い出すと、色々な年中行事があって季節感がありました。
こういう経験を、ヒナとハルにもさせてあげたいなーと思います。