とある雑誌のとある連載のとある先生が仰っていました。



「事例問題が出題される最大の理由は、日頃の学習を通じて、どれだけ事案に則して法律論を展開する力が身に付いているかためすため」だと。


そして、「回答者の方でその分野に関する基本判例を思考上の『はしご』として用いることが、暗黙の前提となっている」と・・。


この先生のご指摘は、択一で判例がとても重視されている傾向と合致すると思いました。



つまり、「判例を知っている」ことが、択一・論文ともに問題を検討する前提にあると思いました。



次に、検討の過程を考えてみたいと思います。



諸先輩方のご助言によると、検討の骨格は、「三段階審査」、すなわち、



1、保護範囲(保護領域)の画定 =どのような人権が保障されているか

2、制限 =1が制限されているか、また、どのような態様で制限されているか

3、正当化(違憲審査基準) =その制限が正当化されるものか


という過程で違憲について論じやがれ!!って言われました。



でも、この思考過程だと、その人が保障されているあらゆる人権を洗い出しておいて、その中から当該事案において制限されているものについて検討することになるから、思考経済上よろしくないのではと


(もちろん、本当に13条から40条まで考えた!!っていうやつはおらんやろ~、と思いますよ。)



それよりも、「制限」についてまず考えるのがいいじゃないかと。



当該事案で、何をされたのか(あるいは、何をされなかったのか)。


それをされた(されなかった)ことによって、何の権利が侵害されたのかを考える方が、余計なことを書かずにすむんじゃないかなぁと思いました。


もちろん、書くときは、上記の順番で書くのが筋だと思います。




個人的に、上記のミッツの過程のうち、「制限」が重要なのかなと思いました。



「制限」の態様、



(直接とか間接とかじゃなくて) 


法令によって制限されているのか、


法令に基づく処分によって制限されているのかで、法令違憲又は適用違憲・処分違憲という主張方法に違いが生じるのかなぁと思います。


後、連載に書いてあったんですけど、


「法令による制限でも、一般人に対する制限か当該事案におけるその人に対する制限かで法令違憲か適用違憲かを区別する」的なことを書いてました。



例えば、法律で土地の利用を制限する場合、土地の利用者一般に対しては、財産権(29条)の制限になるが、当該事案におけるその人が宗教的活動にその土地を利用しようとしていた場合、その人にとっては、当該法律は、信教の自由(20条)の制限になる。


そうすると、29条違反の主張は、「法令違憲」として扱い、20条違反の主張は、「適用違憲」として扱えばいいことになりそうです。



また、別の先生曰く、


「問題分に挙っている事実には立法事実と司法事実があり、立法事実は、法令違憲に、司法事実は、適用違憲を主張するさいに用いる。

つまり、立法事実と関連ありそうな権利については法令違憲、司法事実と関係ありそうな権利は適用ないし処分違憲で使うべし」的なことを仰ってました。




とにかく、まず原告の主張を立論して、この後に被告の反論とか私見とか書くわけですけど、



どの立場で書く場合も、その主張の核は、「判例」になるんでしょう。



試験で一から規範を考えるなんて時間制限のある試験中には無謀な行動でしょう。


判例を前提にして、当該事案は、判例とどのような点で異なっているのか、


その異なっている部分が、「事案の特殊性」ってやつで、その特殊性によって規範がどのように変わるのか、を考えて、その場で知っている規範を当該事案用にアレンジするということでしょうか。



だから、先生は、「判例をはしごに 使うことが有用である」と仰ってたんですね。


ただ、(繰り返しになるんですけど)それをするためには、判例を知っていなければならないんですね。


ここでいう、「知っている」とは、当該事案を理解して、その事案の中でどのような判旨(規範)が用いられているかを「知っている」ってことですね。



そうじゃないと、事案の特殊性に応じて、規範をアレンジするなんてできないですよね。


3(判旨)=3(あてはめ)という関係が分かってないと、



3-1(あてはめ)のときに、規範も3とか使っちゃいますよね。 


-1という特殊性が加わってるのなら、その特殊性を規範にも考慮しないといけないってことですかね(この例ってあってるんですかねぇ。)



でもって、こういう訓練って、ローの授業で行われているものらしいですね。



僕も、してもらった記憶があります。


ということは、あの授業の方法が事例問題を解くための訓練だったということですか。


僕が、解けないのは、訓練の量が足らないということですか。


じゃあ、どんな教材を使って訓練しようかと思ったら、連載でちゃんと示してくれていました。 


それを用いて、一つ一つ判例をつぶしていこうと思います。


これは、事例を解く訓練であると同時に、択一を突破するための判例の勉強にもなるなんて、一石二鳥じゃないですか。



無駄に長くなってしまった。  間違ってみちゃった人、すみません。