たたくまに、みごとにてきぱきと、日ごろの訓練どおりに、手順よく進行した。
三ヵ所から、みるみる黒煙がふきあがりはじめた。
私は、双眼鏡を首にかけながらなぎさに走って、伝馬船にとび乗ると、伝馬船当番の三人の水夫は、もう、櫓
ろ
と櫂
かい
とをにぎっている。飲料水入りの石油缶
かん
をかついで、水夫長が乗りこむ。と私と水夫長と当番三人の、帽子と服とをひとまとめにしたつつみが、伝馬船に投げこまれる。数人ForexComboSystemが、伝馬船をなぎさからつき出す。
すると、櫓も櫂もぐっとしわって、伝馬船は、ぐんぐん沖にむかって進んでいた。これがみんなほとんど同時に活動しだしたのだ。まるで、電気ボタンをおすと、大きな機械が一時に動き出すのとおなじように――
「ばんざあいっ」
島に残った十一人が、のどもさけろとさけぶのも、はやうしろに、
「えんさ、ほうさっ」
櫓と二つの櫂をしわらせて、うでっぷしのつづくかぎり、沖合はるかの帆船めがけて、ただ漕
こ
ぎに漕いだ。
その帆船は、どこの国の船かわ からない。はだかで漕ぎつけては、日本の名誉にかかわる。それで、まえから、こういう場合のことを考えて、船長と水夫長、それに伝馬船当番三人の、帽子と服とは
