猫がきた | 猫と魚と乳癌と私

猫と魚と乳癌と私

2013年、乳癌の温存手術をしました。現在はノルバデックスを服用し、経過観察中です。旦那、猫二匹と暮らしています。 

夫は猫が大好きだ。
夫は自然が多い所で育った為、実家の近所には捨てられた猫があちこちにいたらしく、猫好きな彼の母親は家に連れて来ては面倒を見ており、小さい頃から猫が常にいる生活をしていたそうだ。 

なので結婚した当初から夫は猫を飼いたがっていたが、私は生まれてこの方ペットと言ったら屋台ですくってきた金魚位しか飼った事がないし、手術や治療での体調不良で猫どころか自分と夫の身の回り事で精一杯だったので、「そのうちにね~」とずっとはぐらかしてきた。
しかし手術を終えて四年が経ち体調もひとまず落ち着いたので、夫が喜ぶならばと飼う事を検討してみた。

最初は、里親募集の子猫を探して実際に何匹か会ってみたが、捨てられた子猫は当然と言えば当然なのだが、どの子も非常に警戒心が強く、また鳴き声も大きい。 
 
飼っていくうちに慣れてくるかも知れないが、そうでない猫もいると保護主から聞き、私はこの子たちの面倒をみたい気持ちはあったが少し怖じ気づいてしまった。
 
また、もともと外にいた猫を室内に閉じ込めておくのは難しいだろうと、集合住宅住まいの私達は完全室内飼育しか出来ないのでさんざん悩んだ。

日中殆ど面倒みるのは猫初心者の私であるので、この子猫の警戒心を解きつつ家の中できちんと最期まで飼う自信がなかった。また、ペット可物件ではあるがあまり鳴かれてはご近所トラブルになる恐れもある。

一度引き取って「やっぱり無理でした」というのは良くないし避けたかったので一旦断って、ブリーダーさんの所の猫も見てみる事にした。

そこにいた子猫達は先祖代々人間によって大事に育てられた親猫の血を引いているからか、生まれてこの方危険や空腹感を味わった事が無いのであろう、どの子も穏やかな顔をして無邪気に遊んだりミルクを飲んだりしていた。
猫も産まれながらにこんなに違いがあるのか、と、捨てられた猫達を思うと非常に胸が痛んだが、子猫を見せて貰う事にした。

その中で、皆と離れた所で一匹だけポツリと佇んでいるメスの子猫が目についた。
その子をケージから出してもらい、膝の上に乗せると不思議そうに私の顔を一瞥し、そのまま大人しくグンニャリと静かに座っていた。そんな姿が、自分の子供の頃と重なり何だかこの子がとても気に入ってしまった。


夫も気に入ったとの事なので、この子をウチに連れて帰る事に決まった。 

帰りの道中、名前をどうするか?と話しになり夫は「たま」とか「チビ」とか無難な名前ばかり言うので、私は「ジュリー」という名前を挙げた。私は、沢田研二様の大ファンだからである(それもどうよ?というツッコミもあるかと思うがご勘弁)

夫は「ジュリーって、沢田研二でしょ?男じゃない?」と言ったが、私はすかさず「沢田研二様がジュリーっていうのは女優のジュリー・アンドリュースが由来なの!だからこの子はジュリーでいいの!」と、入院した時にさんざんお世話になった恩も忘れて反撃したら、優しい夫は少し涙目になりながら「分かった」としぶしぶ承諾してくれた。 


そんなこんなで我が家に猫がやってきた。
最近は暑くなってきたので、フローリングの上でグンニャリ寝そべるのがお気に入りな可愛いヤツである。