トッコ・ジンの姿とオーバーラップしていた。
鋭くカリスマのあるトップスターとしての姿をそのまま見せている彼は、
様々なメディアとのインタビューにもプロらしい老練さ、
特有の茶目っ気と才知でドラマに対する愛情を示してくれた。
ドラマ『最高の愛』は現代の恋人たちの生き方やその裏側に、リアルに上手くスポットを当てている。
特にトップスターと好感を持たれないスターに対する世間の関心と歪んだファン心理を視聴者に見せることで、
彼らの思考や行動についてもう一度 省みさせるきっかけを作ったともいえる。
魅力的なキャラクターだっただけにチャ・スンウォンはトッコ・ジンに深い愛情を示した。
「今まで演じた作品の中でベスト5に入るのではないでしょうか。
キャラクターがとても良いです。すごくやりたかったキャラクターでもありましたし。
特に今回の作品はホン姉妹(ホン・ジョンウン-ホン・ミランという姉妹作家で、
韓国でトレンディで弾けるような作品で人気を博している。
2010年のドラマ『美男<イケメン>ですね』の作家でもある)の作品でもあり、
監督もドラマ『善徳女王』のようなパワーのある作品をされた演出力の優れた方々だったので、
ご一緒したかった。
何しろ前作が重かったせいもあり次期作はちょっと軽い感じの作品を選びたかったのもあり・・
ホン姉妹の作品は漫画的な傾向があり、
そんなジャンルを難しく思って理解出来ない俳優もいるが、
私はそんなキャラクターが好きな方だ。作家に対する信頼があったともいえる」
トッコ・ジンキャラを演じながら一番気を使った部分があるとしたら?
「どう説明していいか分からないが・・俳優なら誰でも両面性を持っている。
どんなキャラクターも受け止めて演じなければならない仕事人として極端な顔を持っていなければならないが、特に私の場合は深刻な顔とギャグっぽい顔の落差が大きい方だ。
コメディもやり重いものもやり・・すでに前作までで私の姿を見てきた視聴者は、
ある程度予想している部分でもあると思います。
他の俳優はジャンルを行き来するとぎこちない部分が多いのですが、
私はそれをずっとしてきたので、自然に受け止められるという自信がありました。
トッコ・ジンがコミカルな姿を見せていたのに
ドラマの進行とともに次第に真面目な顔になった時、自然に視聴者が受け止め理解してくれたらと思ったし、
そんな部分を念頭に置いていた。
1つの連続の中でコミック、メロー、深刻なシーンが続き、
それを上手く運用しながら作らねばならなかったが上手く連結させていたと思う」
前作『ATHENA』を終えて違うジャンルの違うキャラクターを探してきたチャ・スンウォン。
俳優にとってイメージが命でもあり、一度生まれた特定のイメージを変えるのはかなり大変だ。
特にコミカルなイメージを持った俳優がドラマをするのは容易くないのと同様に
限界があるのが普通だが、チャ・スンウォンの場合『アテナ:戦争の女神』や『砲火の中へ』などの強いキャラクターから『先生キム・ボンドゥ』『幽霊が棲む』『里長と郡守』での砕けたコミカルな役柄、
また『雲から抜けた月のように』や『血の涙』のような時代劇まで全く違和感なく、
全く異なるキャラクターを行き来しながら人気を得ている。
「私はコメディを演じるのが楽で、またコメディジャンルが好きです。
実際容易く見えますが難しいジャンルがこのコメディでもあります。
誰かに笑いを与えるということは、計算をしタイミングも上手く合わせなければなりません。
そうしなければ人々に笑いを与えるどころか眉をひそめられますから」
ロマンティックコメディというジャンルの性格のために主にやり取りするシーンで
NGが多く出るというが、ドラマ『最高の愛』はどうか?
「私達も同じです。楽しくしている時もあれば状況がちょっと悪くなる時もあるし。
時間が切迫している時にNGを出すと良くないですよ。
私が考える俳優の基本は、少なくともセリフのNGはないように準備しなければならないと思うからです」
間違いなく『最高の愛』はすがすがしく爽快で涼やかなドラマだったが、
そんな風に見せようとする彼には、アドリブ一つであっても完璧さを追求するトッコ・ジンの姿がそのまま込められている。
『最高の愛』のおかげで視聴者は幸せだった。
特にホン姉妹のドラマは予想した通りの方向には行かず、
所々で違った方向に展開していくので面白さに溢れている。
それに加え『最高の愛』は主人公だけでなく脇役まで独特な面白さで、私達を愉快にしてくれた。
放映の間中大きな人気と話題を集めたこのドラマは
「2012ニューヨークTVフェスティバル」でミニシリーズ部門銀賞を受賞した。
出演する時、人気を予想したか?
「面白そうだとはすごく思っていた。
ドラマが本当に面白そうだなあと期待はしていたが、こんなに爆発的だとは思わなかった。
年を重ねれば重ねるほど、作家ホン姉妹のドラマはキャラクターの力があるのでスピードが加わった。
実際に今回のドラマの場合、3~4話ほど演じたらトッコ・ジンというキャラクターの弾性が強くなって、自然に視聴者を理解させ面白さを加えることが出来たと思う。
実際、視聴率に比べ人気の体感度がずっと高かったので気分は良かった。
どんな演技者でもいくらその作品のクオリティが高くても観客がいなければ無意味なものだから。
どんなに辛くても視聴者が喜んでくれるので徹夜の撮影も我慢することが出来た」
チャ・スンウォンVSトッコ・ジン!似ている一方で全く違う?
「トッコ・ジンというキャラクターの好きな所は決定的な勇気だった。
そっぽを向かれる女ク・エジョンをどうにかしてトッコ・ジン式のやり方で救うこと。
危機に陥った女を救うスーパーマン!ある面ではお決まり的だったかもしれないが、
このドラマはロマンティックコメディとしての仕掛けが良かったので、
キャラクターが「変なやつだな」「小憎らしい」で終わらず、
決して憎めない愛すべきキャラクターになれたのではないかと思う。
トッコ・ジンとはいろんな部分が似ているしまた正しい。
まず職業が同じ(笑)だし、もっと似ている部分もありそうだ。
はっきりとこれとは言えないだろうが・・トッコ・ジンのように
うわべでは強く見えるが本当は心配して・・・。
これは敢えて私だけではなく現代を生きる男たちが抱いている考え方と同一線上ではないかと思う。」
ドラマを見る日本のファンに
「最近、多くの韓国ドラマに触れられていることと思います。
『最高の愛』は大きな人気を得ましたが、完璧なドラマではないと思います。
しかしロマンティックコメディというジャンルの特性を最大限に引き上げた魅力のある作品です。
少なくとも「彼女は愛されるだけのことはある」「彼が彼女を好きになるだけのことはある」
「彼女が彼にちょっと頼ったらいいのに」なんていう説得力は絶対にあるドラマなので、
十分共感してご覧になれると思います。
また大衆が芸能界を見る誤った視線や軽々しい行動の数々、
インターネット上の噂がその対象の人にとって
どれほど致命的な毒になるのかを一回ぐらいは考えさせられるドラマでもあります」
彼は常に新しいキャラクターに大きな好奇心を持っているように見えた。
十分に多くの部分を抱き合わせていながらも果敢さと好奇心で新しいキャラクターを作り出す。
まるでトッコ・ジンが多くの心配をものともせずク・エジョンを選び守り通したように、
チャ・スンウォンはたぶんそんな理由で相変わらず違う選択をするだろうし
新しい姿を作り出すことだろう。
そうして最高の俳優として末永く私たちのそばにいることだろう。

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