大学の試験問題に一番沢山出題されると言う。本になったりもしている。

朝日の中でも、一流中の一流が担当しているのであろうが、『天声人語』をはじめ短いコラムの文章はプロとはいえ流石である。


ブログを書き出してから特に文章を気をつけて読むようになったが、天声人語のような文章は逆立ちしても真似できない。
文章もさることながら、蓄えられた知識、教養に圧倒的な差を感じる。


今朝の天声人語
『スポーツと観衆について、一つの「法則」があるそうだ。勝者が得るものと敗者の失うものとの差が大きいほど興奮は増す、のだという。人気チームの戦いも、親善試合では盛り上がらない。』で始まっている。


スポーツの話かと思ったら、アメリカの民主党の大統領候補者選びの話なのである。

『勝ちと負けの落差は「雲と泥」である。』
だから盛り上がるのだと続いて、もう少しこの興奮を楽しみたいのも分析した理由の一つであると指摘している。


そしてヒラリーの泣きどころは、「ヒラリー嫌い」の多さだと言う。
大統領の品定めが好きなアメリカ人が最高と評価するリンカーンの「一つのアメリカと」と言う言葉は多民族の国ゆえに日本人の想像を超えて重い。

そして『勝負の分かれ目は「心の準備」だとも言われる。女性と黒人。どちらを大統領に迎える心の準備が米社会に早く整うか。民主主義の守護者を自認する国での、思えば歴史的な戦いである。』と結ばれている。


文章も流石だが、この短い文章の中に盛られている幾つもの事柄、知識が素晴らしいと思う。
新聞社で文章を書いたり、社会の出来事を専門的に見つめていれば自然に溜まる教養なのか。


ただ、最近思うことは何事でも、ちゃんと考えるために物事を見ると、凡人でも幾らかは進歩すると言うことだ。
ブログを書き出してから、写真を撮りだしてから、モノを観る見方が少しだけ変わったような気がする。

『気がつくのが少し遅すぎたようである。』