「ギャラいくら?」「なんぼもろてんの?」とか、みんな大好き芸能界のお金の話。

最近でこそ、若手芸人やブレイクした芸人が抵抗なく話すこともありますが、
基本的にはあまり大っぴらになることはなく、ネットニュースや週刊誌の低俗な記事くらいでしか見かけません。

何故か?倫理的なことは置いといて、

ウケないからです。圧倒的に。

すごく多かった場合、引かれる。
それなりだった場合、「意外ともらってんな」「まあ、そのくらいだろうな」「思ったより少ないな…」くらいで、リアクションが薄い。
唯一ウケそうなのは圧倒的に少ない場合ですが、これも場合によっては引かれる。

そのくせ、やたら人に拡散されていって、「この人、このぐらいもらってるんだ」とか余計なことを思われながら見られるという、何の得もない、不要な情報なんです。

これを逆手にとって本まで出版した天津向さんはすごいと思います。
ノーガードというか、真正面からイジられにいけるって相当難しいことやと思うんです。


では私、R藤本はいくらもらってるのか?

もちろん書きません。
そこまでいろんな人のことを信用していませんw

どうせニコ生やYouTubeのコメントで「こいつ○○くらいもらってるらしいぞ」とか書かれて何か損した気分になるだけです。

まあ一応、ここ数年は、吉本からの給料だけで生活できてはいます。

丁度その数年前くらいから、「お金のことを考えるのをやめよう」と思いはじめました。

やっぱり、「お金がない」というのはきつい。30代にして、生活や仕事に必要な物すら買えなかったりするわけですから。
考えるというより、常にそれがプレッシャーとして頭のどこかにあるんです。なので、仕事がないからといって、時間がある感覚にはなりません。

皮肉なもので、そういうのを頭から追い出そうとしたタイミングで、何となく生活くらいはできる給料になったんです。

そして分かったのが、私は、
「お金がそこまで好きじゃない」
ということです。

絶対に必要なものなので嫌いなわけはないですし、「じゃあオレにくれよ」と言うような人にあげるほどバカではないのですが、他の人ほど、お金に対して執着や喜びがないような気がします。

ですが、「対価がもらえない」という状況は非常に腹立たしい。
基本的にレギュラー以外の個別のギャラはいつ振り込まれるか分からないので、まめにチェックしないと未払いだらけになります。
お笑いライブに関してはお金のために出ているわけではないし、儲からないのを知っているので文句を言ったことはありませんが、さすがに沖縄に1泊2日で仕事しに行って1万しか振り込まれなかったら、何のために時間使ってるのか分からないじゃないですか。今のは例えで書いたわけじゃないですよ。

昔から、物欲がなく、ギャンブルは一切しない、酒やエロい店に使うこともない。使うと言ったら食事と旅行くらいですかね。
貯金が趣味というわけでもなく、面倒くさいのであの手この手で増やしたいとも思いません。


で、最近、「金がない」芸人に共通することを見つけた気がします。
「もらう」ことばかり考えています。お金でも、仕事でも。
「稼ぐ」というより「もらう」。自分の能力や価値に見合うことじゃなくても、お笑いに関係なくても何でもいい、もらえればラッキー。
だから「くれない」人のせいにする。使ってくれない、振ってくれない、ケアしてくれない、と。
仕事として基本的な、「能力を発揮する」「満足してもらう」「分け与える」みたいなことが頭にあれば、もう少し安定して仕事、お金になっていくんじゃないかと思うのですが、まあそんなこといちいち考えてない方が芸人っぽいのかもなあ、とも思います。


人前に立つ仕事な以上、お金やチャンスじゃなくても「求められた以上は応えたい」「喜んでもらいたい」という習性があったりするのですが、その相手を間違うと取り返しのつかないことになったりするので、とにかく気を付けていかないといせません。
今は何十人、下手すりゃ何百人の芸人が、身に覚えがなくてもビクビクしていることでしょう。
アレです、警察官とすれ違う時、何か背筋がピシッとなる感じに近いかもしれません。

職務質問されたことがないのが少し自慢です。そんなことが自慢になるくらい胡散くさい奴らなんです、芸人なんて。